落ち着けと ガイドの流れと 雲の先 (M3)


こんばんは。玄です。皆さまGWはいかがお過ごしでしょうか。今年のゴールデンウィークは6日が満月ですので月齢的にはいまいち、更に天気も平日以外はあまり晴れそうにないというなかなか厳しい状況の様です。晴れないのは多分…いえ、これはまた次の機会に…。

さて、4月は天候がいまいちなのと、比較的忙しかったので庭の星見台の運用テストを主にやってました。春は銀河砲として使えそうなリチャード君ことGS-200RCで撮影出来ないかな…とやってみたんですが、どうもガイドが今一つ決まりません。

この辺、原因が接眼部なのかガイドシステムなのか赤道儀なのか、いまいちパッとしない状況でした。筒を光圀さん(107FL)に変更しても今一つだったので、もしかしたら赤道儀?という状況でした。

雲が行き交う中、なんとかM3をテスト撮影 2023年4月

ただ、あきらめるにはまだ早いということで、今度はガイドシステムを変更してのチャレンジです。これまではラズベリーパイ4+PHD2(on Astroberry)だったのですが、もしかしたら赤道儀との相性があまり良くなくてうまく行かないのかもしれません。手元の持ち駒は少ないのですが、とりあえずASI AIRでやってみることにしました。カメラは同じKissX9iですので、ASI AIRはガイドカメラだけ接続して、ガイドシステムとしてのみ使います。

晴れ間の少ない4月でしたが、この日はなんとか…とセッティングして空を見上げて見ると、月の向こうから雲が次々にやってきていました。それでもまぁ、なんとか晴れ間はあります。どうせテスト撮影なんだから…とそのまま実行しました。風はありましたが、思ってたよりも撮影は順調に行けたようです。

今度こそそこそこまともな結果となったM3球状星団 2023年4月
Canon KissX9i(HKIR) BORG 107FL+マルチフラットナー(648mm F6.0 125secx17 ISO 400)
タカハシ EM200赤道儀 75mmF2.8+AIRAIRでオートガイド ステライメージ9+PaintShopProで処理。トリミング

結果…む?これは結構良くない?という状況になりました。スタックしているので実は違いは分かりにくいのですが、個別の1枚ずつを見てもガイドずれが目立つコマは少なく、割と使えそうな気がします。これまでの2回と比べても全体的にすっきりした仕上げになっています…が、これは月明かりの影響を気にしてISOを400にしておいたというのも効いてるかもしれません。ただ、ガイドずれが目立ちにくいのは確かの様です。むむぅ、これはPHD2の問題…か?

107FLでトリミング無しだとこんな感じ M3 2023年4月

ちなみにトリミング無しの全体像としてはこんな感じです。RAW画像を直接トリミングしているので色合いとか変なのはご愛敬。かなりてきとーです。

左から、今回の107FL+ASIAIR、107FL+PHD2、GS200RC+PHD2、です。
色んな条件で撮影したM3 ASIAIR,PHD2,GS200RC 2023年4月

今回のASIAIR(左)でも、ガイドずれがあると言えばあるんですが、右のこれまでの2枚に比べれば無いに等しいレベルかと思います。これ、75mm鏡でのガイドですよ。

さて、ガイドはとにかく、こうやって比べるとよく分かるのですが、リチャード君(GS-200RC)の画質って、あまり良くないんですよね。焦点距離から言えば拡大率は一番小さいので、もっとシャープな星になっていいはずなんですが、107FLの方が星は小さくなっています。反射なんでコントラストの差はあるにしても、ちょっとなぁ、という気がします。色合いはいいんですけどね。

リチャード君の星像が悪い件は以前から気になっていて、惑星撮影とかしても全然性能が出ないんですよね。この辺色んな理由はあるとは思いますが、接眼部の問題を調べていて、nabeさんの記事に再会しました。そこでふと思ったんですが、nabeさんの撮影結果は(色んな技術を駆使しているとは思いますが)かなりシャープです。機材はGS-200RCなんですが、その歴史を見ると、接眼部の換装の影響で副鏡を5mmほど主鏡側にシフトしてあるとのこと(nabeさん、勝手リンクすみません)。
これとは別に、VixenのVISACなんかは、副鏡の位置が数mmずれたら星像はガタガタになるという話も聞いたことがあります。実際、このカセグレン系は主鏡と副鏡の位置合わせはかなりシビアだと考えた方がいいという話も聞いたことがあります。時間があれば自分の副鏡の位置もいろいろいじってテストしてみたいな…とは思っていたのですが、かなり面倒そうなのでそこまで行けてません。

とりあえずガイド撮影がうまく行けるようになれば、そういうこともちょっと考えて見てもいいのかな…。あれこれ考えるより、光圀さんでガシガシ撮影した方が早いのかなぁ。悩ましいところです。

ギガントは…まぁ、ぼちぼち考えます(^^;

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コメント

UTO
長焦点はシーイングなどの問題もあって、なかなか難しいですよね。
とはいえ、リチャード君、もうひとつピリッとしませんか。惑星用には副鏡遮蔽が大きい面もありそうです。
遠天仲間でも、惑星連邦のN中さんが使ってますが、上述理由を掲げて、惑星用にはイマイチ、と結論されていました。

VISACは、主鏡が非球面で副鏡が球面(だった筈)なので、主鏡が敏感ですが、副鏡はどうかなあ・・ただ、補正レンズがバッフル内に入っているので、ここと副鏡の距離・・バックフォーカスが効いてくる可能性はありそうですよね。
VC200Lも自分は1型センサーまででしか使ってないので、あんまり気になってませんでしたが・・
主鏡はシビアーで少しでも圧迫があると(多分、6次非球面が歪んで)星が▲になりました・・。
その後、オライオン30cmが実用になっちゃったので、たぶん、再調整の段階で放置しているかも、、いや、まあ、どのみち撮影では10年使ってない(観望会では1回出した・・)ので、使おうとするとミラー清掃から、です。。。

話が逸れてしまいましたが・・。タカsiさんのTOAによる超絶画像を見たりすると、やっぱり屈折もいいなぁ・・と思ってしまいますね。
光圀さん、下剋上かな!?


UTOさんどうも~。GS-200RCは、元々眼視目的で導入したのであまりこだわるつもりは無かったのですが、せっかくなので…ただ、惑星含めて、星像は光圀さんの方が上な感じなんですよね。

VISACは…そうか!補正レンズが入っている分敏感なのかもしれませんね。

そう。タカsiさんのTOA見ると、もう屈折がいいじゃん。てなりますよね。
でも、せっかくの20cm鏡、もうちょっとポテンシャルを出してやりたい気もします。
クワトロ大尉、調子いかがです?(^^;
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