薩摩の山のその奥に
仲良い親子が住んでいた
一人の息子を育て上げ
静かに暮らす母親は
森の中でも不満なく
静かに質素に暮らしてた
大人になった若者は
町に憧れ山を出る
いつしか帰らぬ日も多く
母は心配してばかり
そんなある年晩秋に
ついに息子は帰らない
雪解け待って帰るから
そんな手紙が届いたら
そのまま冬の山の中
母は一人で雪を見る
山吹く冷たい北風よ
あの子にそっと吹いとくれ
母は心配してるよと
あの子にそっとささやいて
雪解け待って若者は
一人の娘を連れてきた
この娘と町で暮らすよと
冷たい言葉に凍りつく
あんたが息子をそそのかし
私をひとりにしたんだね
かわいいわが子を奪い取り
私をひとりにするんだね
気が付けば
息子を思うそのあまり
正気をなくした母親は
怒りのあまり噛み付いた
若い娘に噛み付いた
獣を見るよな目を残し
二人はあわてて逃げ出した
母親残して逃げ出した
後に残った母親は
全ての涙を出しつくし
水辺にようやくたどり着く
ああ山よ
私を獣に変えとくれ
醜い獣に変えとくれ
水面に映るその顔は
醜い鹿になっていた
大きな鹿になっていた
雨降る山のその夜は
子を呼ぶ声がこだまする
悲しい母の唄う声
遠く遠くへこだまする
ケーンケーン
あの子はどこに
ケーンケーン
あの子はどこに
薩摩の山のその奥に
悲しい声がこだまする
子を呼ぶ母の泣き声が
今宵も峰にこだまする
今宵も峰にこだまする
OLYMPUS E-5 ZD12-60mmF2.8-4.0(12mm F8.0 1/80sec ISO 200)ドラマチックトーン
コメント
No title
黒い雨に包まれた山と、明るい草地の明暗がどこか幻想的な雰囲気を創っていて
とても面白いショットです。
2013/05/28 URL 編集
No title
なんか凄い~!!
生きてる~!!って感じです~!!
感動しちゃいますね~!
2013/05/28 URL 編集
No title
花を色々撮影した十曽公園を上から見ると、こんな感じです。天気が悪くて雲が流れていても、それを撮影したくなるこのドラマチックトーンは、私の中では本当のマジックフィルターですね。超お気に入りです。E-30にもこれが付いていたら、売れ行きが変わってたかもしれないんですね…
2013/05/28 URL 編集
No title
この写真に合う話はなんかできるかなー、と、風呂に入りながら考えてしまいました(^^;
2013/05/28 URL 編集
No title
恐ろしげな雲ですね~
私も息子の彼女に噛みつかないように
気をつけなければ・・・
2013/05/29 URL 編集
No title
2013/05/29 URL 編集
No title
明るい草原はゴルフ場でしょうか?不気味な黒雲との対比が素晴らしいです。
2013/05/29 URL 編集
No title
ポエムです。
2013/05/29 URL 編集
No title
ななこさんなら噛み付くことは無いでしょ~?。まぁ、どちらかというと噛み付かれ無いようにしないといけないかもしれませんね(^^;
2013/05/29 URL 編集
No title
文章も、怖い~?。ふふふ。子供を持つようになれば、怖いというより悲しいと思えるようになるかもしれませんよ。
あー、嫉妬の怖さはまいさんの方が良くしってる?(ヲイ
2013/05/29 URL 編集
No title
昔話風にしたつもりですが、考えてみたら子離れできないのは今も昔も変わらないのかもしれませんね。
明るく見える草原部分は、公園の芝生広場です。残念ながらゴルフには向きませんね~。超長いラフばっかりです(^^;
黒雲はドラマチックトーンならではです。曇り空を見ると、使いたくなってしょうがありません(^^;
2013/05/29 URL 編集
No title
それにしても、こんなにレスが付いたのは初めてかも…
2013/05/29 URL 編集
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いいなー。
2013/05/31 URL 編集
No title
2013/05/31 URL 編集