寒さ耐え 雲を避けつつ 待つ星は

 先月の話も結局できないままひと月が経ってしまいましたが、土曜日は科学博物館の天文クラブ例会でした。この日は一般の方の観望会が無いので、自分たちだけでじっくり観測できます。会のTさんが先月導入した、という話をされてた噂の赤道儀、iOptronのZEQ25GTを持ってこられました。これは本体重量が5kgぐらいしか無い上に、すごくちっこいのに、耐荷重が12kgもあるという、「ホンマかっ?」と言うような赤道儀です。しかも、自動導入、GPSまで付いて三脚込みで13万円ぐらい。機能の割には安いぞー。すげぇ。



FUJIFILM X-A1 FUJINON XC 16-50mmF3.5-5.6OIS(16mm F4.0 1/480 ISO 12800)

…で、実際に組み立て開始。ピンボケなのは、レンズのフォーカスをAFに戻すのを忘れていたからです。ちうか、ISO12800だし(^^;;。星にしか使っていないのがバレバレですな(^^;。なので雰囲気だけ感じてもらえればいいのですが、とにかく小型です。ただ、その分色んな所にムリが来てて、各種レバーやツマミが回しにくそうでした。ある程度慣れればマシになると思いますが、コンパクトにまとめてある分、操作性は犠牲になっていそうな気もしました。クランプ構造なんかが普通と全然違うというのもネックかもしれません。この辺も慣れですな。

とりあえず、架台の組み立てはバランスウェイトの設置と、コントローラー類の接続までで、後は外に出て、ということにしました。赤道儀+三脚を持って軽々と運べます。さすがにアルミ脚のSPよりは重いかも知れませんが、GPDなんかと比べるとむちゃくちゃ軽いですな。

で、筒は何を乗せる?という話でしたが、せっかく12kg乗せられるのなら、銀ちゃん乗せよう!ということになって、銀次200(20cmF4.0)を乗せることにしました。重量はR200SSより重いらしく、カタログ上は8kgあります。これがスムーズに動けば、ZEQ25GTの性能は、おおよそ当たってるぞ、ということになります。「でもー、ウェイトこれ(4.5kg)いっこで足りるんでしょうか?、見るからに軽いんだけど…」「大丈夫でしょ、カタログ値までは行けるんじゃない?」
…いや、何か違う気がするぞ。



FUJIFILM X-A1 FUJINON XC 16-50mmF3.5-5.6OIS(16mm F3.5 15sec ISO 6400)

で、外に出てセッティングです。赤道儀がコンパクトなのはいいのですが、おっきな筒を乗せると、そのツマミとかにアクセスするのがやりにくくなるため、やはり操作性が犠牲になっているな、と思います。あんまし大きな筒を乗せるものではないかな~。いやそれよりも、バランスです。案の定、ウェイトが全然足りません。「この軸だと、Vixenと同じだな。GP用のウェイトがいくつか合ったと思うから全部もってこーい」…だから言ったぢゃないですか…

しかし、なかなかバランスが合いません。最後には何故か持ってきていたアトラクス用の平べったいウェイトまで総動員して、なんとかバランスしました。しかし、一度バランスさえ合ってしまえば、後はクランプをセットして、モーター駆動でかなりスムーズに動きます。この日は室内でお話をしている間に雲が広がってしまい、アライメントをきちんと取るところまで行かなかったのですが、総じてスムーズに動いている感じでした。モーターの音を聞いている限りはムリなイメージはありません。

 モーターはDCサーボモーターなので、それなりに音もしますし、手動で動かしても、「ゥゥウォオン」という感じで(どんな感じや)、狙ったところでピタッと止めるのは難しい感じでした(設定速度にもよると思いますが)。しかし、コントローラーはすごく軽くて、片手で楽々持てるのは好感が持てました。

 なんと言っても赤道儀本体が軽くてちいさいのはいいですね。これでピリオディックモーションが小さければ、プロミナー指令用に本当に欲しくなってしまいますが、まぁそこは…ね(^^;;

さて、この日のメインの観望対象は、やはりラブ女医さんでございました。赤道儀のセッティングで悪戦苦闘している間に、西の方から少しずつ雲の切れ間が広がってきました。これなら見えるはず~、と、珍しく持ってきていた双眼鏡で探してみますが、なかなか見つかりません。想定していたよりもすばるに近いとか、思っていたよりも天頂に近いとかあった(普段は2時間近くかけて大角に行ってるから沈みかけなんだよな…)のも、なかなか見つからなかった理由でしょうか。



FUJIFILM X-A1 FUJINON XC 16-50mmF3.5-5.6OIS(16mm F3.5 15sec ISO 6400)
矢印部分がラブ女医さん

でも、最後は見つけました。双眼鏡でもまだまだ余裕で見られる明るさ、そして銀次でも導入できて、ぼんやり広がるコマも観測できました。最後はX-A1で固定撮影でのチャレンジです。広がる雲の合間に、きちんと写ってくれました~。雲がほとんどでしたが、最新の赤道儀をちょこちょこいじれて、楽しい観望会になりました。

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