復活の 狼煙をガスで 表現し (SE120でM42オリオン大星雲)


こんばんは。相変わらずTNKな玄です。
はい、もったいぶってすみません。あぷらなーとさんオススメのロードスターに乗ったドナルド君、というかSE120にNB1フィルターを入れたシステムで、冬のアレを狙ってみました。

公園撮り手持ちでオリオン2020年2月
LUMIX TX1 DC VARIO-ELMARIT 9.1-91mmF2.8-5.9(9.1mm F2.8 2.0sec ISO 3200)手持ち

今回は天候も安定していたのですが、相変わらず全体的になんだかモヤっている感じです。一応オリオンは見えていますので狙いますが、前回と違ってロードスターは少し露出倍数をかけてやらなければ…と思い、ISOを3200まで上げてます。まぁ、後から見てみると、これはISO1600でも良かったかも…という感じですが。

リゲルでアライメントを取ってピントを合わせますが、やはり暗い星が見えにくくなってます。この辺、導入には少し気を使うかもしれません。自動導入が正確なら関係ないんですが…。

そして撮影、んで、出てきた1枚目がこちら。

ドナルド+ロードスターによるM42 撮って出し1枚!
Nikon D600改 Kenko SE120+カサイx0.8レデューサー NB1(480mm F4.0 60secx1 ISO3200)
iOptron CEM25EC赤道儀ノータッチガイド IrfanViewで調整

現場で拡大表示してみると…
はうあ!なんぢゃこりゃ!星のまわりの青ハロが全然見えんぞおおおお!?

いや別に疑っていたわけでは無いのですが、比較的安価なドナルド君。光学性能がそれほど完全に同じ品質かどうかは保証の限りでは無いですし、こうした特定の波長のみを拾うというのは想定外の使い方だと思われますので、同じ結果が出るとは限らないと、期待しすぎないように注意していたのです。

いやしかし、これは想定以上です。思ってたよりもずっと使えそうな気がします。オリオン星雲がちょっと赤すぎるような気もしますが、バンクーバーの緑の濃い画像よりは扱いやすそうな気がします。実際、現像時に緑色をムリヤリ補正しなくても、通常のホワイトバランスの調整の範囲でバランスしました。

そのまま12枚露出します。露出は1分ですし、まる子なのでノータッチガイドです。
そしてスタック&強調処理をしてみます。やはり光害地でもあるので、処理はかなりピーキーで、周辺減光も相当あるのでフラットを撮らない処理方法では限界があるのですが、とにかくやります。いっけー!

どでん! ※1

ドナルド&ロードスターによるM42
Nikon D600改 Kenko SE120+カサイx0.8レデューサー NB1(480mm F4.0 60secx11 ISO3200)
iOptron CEM25EC赤道儀ノータッチガイド YIMGでstack+PaintShopProとIrfanViewで調整

いやもう、ここまで出れば御の字でしょう。良く見ると中心分が結構飛んでいるので、もっと露出を抑えた方がよかったような気がします。ピーキーな画像処理で荒れてしまっているので、ISOを1600にしとけば、というのはこの辺です。まぁでも、周辺部の画像も良くないしせっかくなのでトリミングしてみましょう。

ドナルド&ロードスターによるM42トリミング

周辺減光がひどいので限界はありますが、前回バンクーバーで撮影したものよりも、かなり普通に見られる感じになっているかと思います。これが3等星ぐらいまでしか見えない都市部の公園で撮影できた、しかも総露出時間は12分で、となると、やはり楽しくなってきます。ノイズを考えると、せめてこの倍ぐらいは露出しないといけないかもしれませんが、まぁ30分ぐらいかければそれなりに見える画像になりそうです。

さて、これがどれぐらい違うのか、前回の結果と比べてみましょう。彩度を落としてディティール重視で処理したものと比較してみます。

M42のフィルター比較。バンクーバー vs ロードスター

良く見ると、星雲の描写も結構違いますが、やはり違いは星の描写でしょう。青いハロの部分をフィルターでバッサリカットできているので、まるでアポクロマートの望遠鏡で撮影したようなシャープさを見せています。あぷらなーとさんも同様のお話をされてますが、
大事なことなのでもう一度言います
この2枚、同じ筒、同じカメラで撮影したものです。違いはフィルターのみです。
アクロマートの逆襲、これは本当にできそうな予感がします。あぷらなーとさんも宣言されてます。※2

ふはははは。
全国の誇り高きアクロマート戦士達よ、今こそNebulaBoosterを手にアポクロマート軍を痛撃するがよいッ!!

…はい、がんばります!。アポクロマートも持ってるんですけどね…(^^;

今回も撮影は2対象。撮影から撤収までざっくり2時間ぐらいでしょうか。これなら、普段、平日でも撮影できなくはありません。可能なら自宅で行いたいところですが、北極星が見えないのでその辺はこれまた今後の課題です。

最後に、次の対象としたバラ星雲もちょっとだけ見てみましょう。

バラ1枚撮り2020年2月エクスカリバー?

ん?エクスカリバーが刺さってる!?

いやまぁ、恐らく人工衛星かなにかが、たまたま写ったんだとは思いますが、見事にバラのど真ん中に突き刺さってましたね。ドナルド君が見事な仕事をしてくれたので、ご褒美にちょっとサービスしてくれたのかも知れません。画像処理はまだこれからですが。
このフィルターを使ったときの定番表現ではありますが、言わせてください(^^;
自宅から歩いて行ける場所でバラ星雲が撮れるとは思ってませんでした。ロードスター、すげえ。


※1 本家あぷらなーとさんのは「ででん」ですが、そのまま使うのはおこがましいので、テンポの狂った状況を表現しています。
※2 あぷらなーとさん、あまりに楽しかったので勝手に引用してしまいました。ごめんなさい。


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コメント

あぷらなーと
素晴らしい!!
臨場感溢れるレポートで、こちらも(果たして同様の結果が出てくれるだろうか・・・と)ドキドキしながら拝見しました。

SE120+NB1+笠井0.8RDの必殺コンボ、見事に成果を出されましたね。
これはもう見事なアクロマート戦士っぷりです。

私もアポ鏡筒は45mm~102mmまで合計8本保有しているのですが、あえてアクロマートを実戦投入してみたら十分な戦力になってしまったというところに、何とも言えない痛快感を感じてしまいます♪

Re: タイトルなし

茶米 玄
あぷらなーとさんどうも~。
本人に評価いただけるとは…いやもうありがとうございます!

光学系はたまたまあぷらなーとさんと同じ機種を持っていたので、これなら…と思ったのですが、
本当にバッチリの結果がでて、ここまでとは…と正直びっくりです。

12cmF5は、(価格的にも)結構小回りが利くので、色々試してみたくなります。
お手軽で赤いヤツを撮れるのは、本当に痛快ですね。これからもあぷらなーとさんには色々期待してしまいます(^^;
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