ギガントのバラバラ事件 第3話 (主鏡セルサポートカット=口径30cm化)


こんばんは。玄です。
ギガント(オライオン 30cmF4カーボンSTD)のバラバラ事件、第3話です。第2話までで、バラバラに切断されてしまった筒を紹介しましたが、せっかくバラしたので、以前から懸案であったミラーセルの固定爪もカットすることにしました。

ギガントのミラーは、固定用?の爪が3か所ついてて、この爪の張り出しが結構大きく、1cm近くあります。干渉作用で変なゴースト(スパイダー)が出ないように、このミラーの固定用爪を隠すため、1cm幅の爪隠しをセットしてあります。

元の鏡の大きさがちょうど300mmなので、この周囲10mを隠してしまったことで実質口径は280mmとなってしまい、10%強の光量ロスが発生しています。もしかしたら絞ることによる改善効果もあるかもしれないのですが、なんか悔しい。

また、この「爪」は例によって固定の役割はほとんどなく、何か大きな力がかかった際に鏡の落下を防止する程度の役割しかない…はず※1 です。オライオンのミラーセルの構造上、ミラーの固定はサイドからのテープ貼りによる固定(いいのか、これ…)がメインで、爪による固定はほとんどなされていないはずなんですね。

ギガントミラー。真横からセルの構造を確認してみたの図
ギガントセル真横からの眺め 2020年5月

横面からセルの構造を撮影したのがこれになります。ちょっと複雑でわかりにくいのですが、一番下のファンの付いてる板がセルを筒に固定するための板で、右端に固定用のネジ(実際は3か所ある)が見切れてます。
スプリングの付いるネジとその右の細い固定ネジが光軸調整用で、その上のセル本体をこの2本(実質6本)で支えています。ミラーの荷重のほとんどは、セル本体の真ん中に見えてる9点フロートで白い樹脂ネジの9点で支えられています。これがいいのかどうか、というのはありますが、今回は面倒なのでここはいじりませんでした。

問題はミラーの固定です。セルの右端にサポートが立っていますが、これはセルの端部をくわえ込むように取り付けてあり、鏡を上から押さえるというよりは、横から挟み込む、というような固定になっています。また、ミラーが動かないようにするための固定はこのサポートの中ほどにある樹脂ネジ(この写真では見えてない)でミラーを押すようになってて、樹脂ネジとミラーの間にはゴム板が一応あり、それで横から押しているのと、サポートに巻いてあるテープで引いてあり、その2点で固定しているようです。このテープで固定がそれなりに行われているので、ミラーが動くことはなさそうです。ただ、このサポートの固定はセルの下からネジ2本で留めてあり、そのネジ穴は一番下の固定板を外さないとアクセスできないので、結構大変です。

国産や中国産のミラー固定の様に、落とし込んだミラーを上から押さえるような構造なら色々手はあるのですが、このオライオンのセル構造だとミラーを外すのもすごく手間(セルを全部バラさないとサポートが外れない)だし、上部のツメの所だけを外してどうこう、ということができないので今まで手を付けていませんでした。

今回は思い切って全部バラして、普段はほぼ仕事をしていない(はず)なのに、ミラーの邪魔をしている爪を切り飛ばしてしまいます。バラバラ事件です(^^;

ギガントセルフロートサポート 2020年5月

その場合、ミラーの落下防止策をもう少し強化してやらねばなりません。最初検討していたのは、9点フロートの部分をやわらかい両面テープ(いわゆる、魔法テープ)で固定してやろうと考えてたのですが、バラしてみると、この9点フロートは3点ずつ、セルに「乗せてあるだけ」なので、このフロートとミラーを固定しても落下防止にはなりえません…。なので、落下防止はミラーサイドからのテープ補強の強化ということだけにしました。

ミラーサポートの爪を思い切って切り飛ばしてしまったの図 右側が爪を切断したもの
ギガントのセル構造 ミラーサポートの形状と爪カット後

で、ミラーサポートの爪を切り飛ばしたのがこの形です。左が元の形。右が切り飛ばした状態。材質はアルミニウムだと思います。結構小さい上に、形が中途半端なので、固定がしずらくて切断するのにずいぶんと苦労しました。鏡筒を切るより大変だったかも

ここではサポートの下部、セルに固定する構造にも注目してみてください。セル本体にこのコの字部分を挟み込んだ後、左のに付けてある2本のネジで固定します。ただ、セル側にはネジが切ってなくて、コの字の上の部分にのみネジが切ってあります。そのままだとしっかりは固定されません。なので、右のコの字の下に見えているもう一つの穴に、六角ネジが仕込んであります。セルにねじ込んだ後、この六角ネジを占めてやることで強固に固定され、ネジのゆるみ止めになっているようです。実際、最初にネジを緩める時にずいぶんと苦労しました。

ミラーの側面から固定してあるテープに更にアセテートテープを重ねて補強固定しているの図
ミラーサポートからアセテートテープで鏡を固定。これで…

後は、元通りにミラーセルをくみ上げて、ミラーをテープで固定してやります。もともと付いてたテープに加えて、写真の様にアセテートテープで更に補強しました。もともと、ミラーサイドにはある程度凸凹があるので、3点のサポートを横から押してる状態では簡単には落下しませんが、テープでこれだけ固定しておけば、動くこともないでしょう。アセテートテープは適度に丈夫で、かつ高温でも糊残りとかが無いので、こうした固定にはなかなか良いかと思います。本当はもうちょっと丈夫なテープがいいかもしれません。最後にセルを持ち上げて90度以上傾けて、動いたり落下したりしないことを確認しておきました。重いのですぐ元に戻しました※2 が(^^;

爪の張り出しがなくなって、30cmフルに使えるようになった鏡。これで撮影もバッチリだぜ~。のはず…
爪の飛び出しがなくなって30cmフルに使えるようになった

爪の部分をカットしたので、ミラーには邪魔な影がありません。もちろん爪隠しの1cmのドーナツも外しておきました。これで30cmをフルに使えるはずです。30cmをフルに使えてもそれを生かせる技術を持っているかどうかはまた別の話ですが…(^^;

ということで、三話をもってバラバラ事件の第一部は完です。第二部があるかどうかは、リクエスト次第ってちがーう。次にバラす時はたぶんミラー清掃の時だと思いますが、更に色々切り飛ばすことは…たぶん無いと思います(^^;;

※1 フラグその1…
※2 フラグその2 …


…ということで、フラグの通り、舌の根も乾かないうちに、後日談(第4話)が出るハメになっています。

「光軸も合わせて、これでテスト撮影ダっ!」

「なんかファインダーがずいぶんズレてるなぁ」

「薄雲だけど、M13は綺麗に…おや?星像がずいぶんいびつ…なぜだ!」

「こいつ… 動くぞ!」


次回、刮目して待て!(ヲイ

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