低くとも 南の空を 狙う台 (宅撮りでM4 球状星団)


日食のところで少し紹介しましたが、南側の空を狙うことができるようにするためのウッドデッキがようやく使えるようになってきました。

最初に狙ったのは、梅雨の晴れ間の6月中旬。久々に晴れたのでデッキの完成を急ぎ、とりあえず使えるようにしてまる子をセッティングしてみました。足場も視界もそれほど広くは無いのですが、南西方向から天頂にかけては狙えます。今までは北側しか狙えなかった自宅からのギガントテストにも、もしかしたら使えるようになるかもしれません。

ただ、ここからは北極星が見えません。いや、デッキの隅に立ってよく見てみると、屋根の間際にギリで北極星が見えていることが確認できたのですが、極軸望遠鏡からはちょっと無理です。ここは、ポーラマスターならぬポーラポインターを装備する必要があると考えてますが、それはまた今後の宿題です。

ウッドデッキでのファーストライト。さそり座のM4
星見台の初運用 ドナルド+ロードスターでM4 球状星団 2020年6月
Canon KissX9(HKIR) Kenko SE120+KASAIx0.8 (400mm F4.0)IDAS NB1フィルター
60sec x8 ISO3200 iOptron CEM25EC赤道儀ノータッチガイド
DSSでstack+PaintShopProとIrfanViewで調整


とりあえずこの時はかろうじて見えた北極星を頼りに、そこそこ北に向けて撮影をしてみます。筒はSE120にロードスター(NB1フィルター)で、とりあえずの狙いは南に上がってきているM4です。

撮影してみると、30秒露出でも結構ズレます。こりゃあいかん、と、ライブビューにして10倍拡大。よーく見ていると、見ている間に星が動いているのがわかります。おお、これでドリフト調整ができるんでないかい?

10倍拡大した画面の、矢印マークの当たりにアンタレスを持ってきて、じっと見つめます。20秒ほど見てたら上下のどちらかに少しずつずれるのがわかるので、そこからドリフト調整します。

この辺、屈折望遠鏡+一眼レフカメラだと、上下がそのまま南北になるので感覚的にわかりやすいですね。ドリフトの方向は、天の南と軸がずれている状態を想像して、軸が西にずれていたら筒は上に残るので星が南(下)にずれて…と考えてもいいのですが、その昔、StarWatching(天文ガイド別冊)に載ってたコラムにあった表現

南下西東下高(なんかせいとうかこう)」

で調整してます。私は「落花生投下口」と、語呂合わせで覚えてます。ひゅーん。ぱくっ

これは、「の空で星が(南)にズレたら、極軸を西に調整する、の空で(南)にずれたら、極軸高度を上げる(くする)」という意味になります。この基本を覚えておけば、上(北)にずれた場合は逆に調整すれば良いわけです。

ただ、皆さんドリフト調整する、というのでどうやってるのだろうといつも不思議に思っているのですが、どれぐらいずれたら、どれぐらい極軸を調整するのか、ほとんどドリフト調整をしたことが無いので、全然ピンときません。

この時も三脚ごと西へやったり東へやったりと、何度もごそごそして、ようやくそれらしくなりました。どうせ1分ぐらいしか露出しませんので、極軸の精度は三脚ごと動かすレベルでいいと思ってたのですが、最後はもうちょっと精度よく調整しなければならなかったようです。

なんとか1分ぐらいならあまりズレないレベルになったので、ようやく撮影…なんですが、8枚の予定が5枚ほど撮影したところで…はい、写真を見てもらえればわかりますが、南中直前だったんですね。子午線を超えたところで融通の利かないまる子は、無情の反転。しかもカメラが三脚にブチ当たるお約束で「んぎゃああぁぁ」と悲鳴が(涙

写真は撮影開始したころ。要は反転直前…
星見台ウッドデッキ2020年6月晴れ間

一応撮影後にフラットも撮ったのですが、今回はどうやってもうまく合いませんでした。それでも無いよりはそこそこマシで、M4左上にあるNGC6144も、うっすらと写ってます。右上の方が赤くなってて、「ずいぶん赤カブリしてやがるなぁ、フィルターのせいかなぁ」と思ってたのですが、実はこの辺、アンタレス付近のカラフルタウンで、赤い星雲がカブってるんですね。おお、思ったより写るのかも…

関連記事

コメント

非公開コメント