玄の館 ブログの部屋
惑星を レンズの違いで 見比べて
2020
/
09
/
25
天体写真
連休も終わりに近づいた9月21日、宵のうちだけ晴れるという予報が出ていたので、頑張ってギガント(オライオンカーボン30cm)を出して惑星撮影をしてみました。この日は風もほとんど無く、さすがに
金曜日ほどシーイングもひどくない
状態でしたが、後から動画を見直してみると、それなりに周辺部はジラジラしてます。やはり8月ほど安定はしていないようです。
今回の撮影では、拡大撮影する接眼レンズやCMOSカメラによって状況がどう変わるかを確認するつもりでした。しかし、撮影するにつれて木星、土星の高度はどんどん下がって条件は悪くなってきたので、正確な比較にはなってません。そこそこの比較はできたかも、というレベルです。
まずはデジカメ、EOS80Dによる撮影です。筒はギガントで、ビクセンの拡大アダプターを使って、セレストロンのUW15mm(中身はBORGのUW15mmと同じ?)と、ビクセンのNPL6mmで拡大しての撮影です。正確に測っていないので拡大率は不明なままですが、接眼レンズから素子までの距離が70mmぐらいだとすると、70÷15mmで4.7倍、6mmの方は70÷6で11.7倍となります。元の焦点距離が1200mmですから、おおよそ6000mmと13000mmぐらいになるかと思います。
EOS80Dでの動画だと、ISOの変更はできるのですが、シャッタースピードは1/30秒までで、NPL6mmでの拡大だと特に土星は暗くてISO6400まで上げてもまともに写ってるように見えません。でも、画像処理を進めていくと意外と写っているのはびっくりしました。データはあるんですね。また、動画撮影結果はMP4になるんので、取り扱いは楽です。スタックするときに変換が必要ですが、AutoStakkert!3とFFMPEGで自動変換してくれるので、あまり気になりません。なんといってもホワイトバランスをオートにしていればそこそこの色に仕上げてくれるのは楽です。
では、比べてみましょう。
共通データ:Canon EOS80D Orion CarbonSTD300mmF4+アイピースによる拡大撮影(1/30sec 120sec動画)
Vixen AXJ赤道儀 AutoStakkert!3でスタック。Registax6でウェーブレット処理
まずはUW15mmで撮影です。そのままだと小さすぎるので、デジカメのデジタルズームを使っています。まずは木星。
UW15mmでの拡大撮影。ISO1600 3倍デジタルズーム
そこそこ写ってますが、シーイングが必ずしも良くないのと、どうも像がぼやけてます。後から気が付いたのですが、少し露出はオーバー気味だった気がします。もう少し感度を落としても良かったかもしれません。強調をやりすぎ気味なので、リンギングが出てます(^^;
NPL6mmでの拡大撮影。ISO3200 デジタルズーム無し
NPL6mmだと、木星はちょうどよくて、撮影してみていても、15mmの像よりも良い感じがしていました。強調度合いにもよりますが、そこそこいい感じになってくれました。当日のシーイングから言えば、個人的には十分な画像です。まぁ、30cmの筒なんだから、もう少し頑張ってほしいと言えばそうなんですが、大赤斑の左側に見える茶色い帯とかも十分表現できているので、なかなかいい感じだとは思います。
続いて土星で比べてみます。
UW15mmでの拡大撮影。ISO3200 デジタルズーム7倍
土星は小さいのでデジタルズームで7倍まで大きくしてみました。15mmだとそこそこ明るいので、ISO3200で十分写ります。それなりに写ったとは思いますが、やはり少しぼやけた感じは隠せません。
NPL6mmでの拡大撮影。ISO6400 デジタルズームなし
6mmだとISO6400にしてもかなり暗いので、見失いそうになってたのでデジタルズームは無しです。少し小さめですが、画像処理を進めていくと、思ってたよりもしっかり表現できることが分かりました。高感度なのでノイジーなのですが、それなりに解像度はありそうです。この日のシーイングではこの辺が限界なのですが、そこそこの結果になってます。大きさが違うので少し比べにくいのですが、やはり6mmの方が写りが良いように見えます。
今持っている接眼レンズで、この拡大方法で撮影できるレンズはこの二つと、後はドナルド君についてきたKenkoの10mmぐらいでしょうか。10mmぐらいが拡大率と明るさのバランスが取れそうではあるのですが、性能的にはあまり期待できないでしょうから、わざわざ比較はしていません(まぁ、この二つのレンズも価格から言えば十分安価品ですが…)
とりあえず結果だけ残すのであればこれでも問題ないとは思うのですが、天リフとかでいろんな人の結果を見てると、やはり30cmの能力をもう少し引き出したくなります。シーイングの問題もありますが、拡大方法をもう少し変更した方がよさそうです。さて…
長くなるので今回はここまで。この後CMOSカメラ、ASI183MCでの比較もやってみたのですが、6mmの拡大だと大きくなりすぎそうだったので、15mmでの撮影比較まででした。結果は…つづく。
※本エントリーは、9/24に書いたんですが、何故かトップページにうまく反映されなくて、なんだか妙な状態になったので、一度削除して書き直してます。
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