安くても バローレンズが いい仕事


こんばんは。この惑星撮影した日に痛めた腰がまだ完治していない玄です。ううう。

さて、接眼レンズでの拡大撮影比較を行った後、懸案だったASI183MCでの撮影もチャレンジしてみました。CMOS+PCなら、シャッタースピードも思いのまま(^^;なので、多少暗かろうが何だろうが、それなりの絵が撮れる…はず…という魂胆です。

ただ、実際にはNPL6mmで拡大撮影すると、1インチとは言えCMOSの視野にしっかり惑星をとらえるのも大変になるため、色々配慮してUW15mmでの撮影だけとしました。撮影そのものは前回きちんと動画で撮影できることを確認しているので、同じ設定になっているのを確認して、撮影枚数を1000にしてキャプチャー開始です。いや実は、その前に木星を導入してピント合わせるのに苦労してたりします(^^;。ものすごくズレてるんですね。しかも一眼レフと違ってPC画面で確認するんですが、そもそもきちんと入っているかどうかも不明、ファインダーでは入っているはずなので、シャッタースピードを数秒まで遅くしてみると、ぼんやりとドーナッツが画面いっぱいに広がっているのが見えてきました…これかよ…

と、とにかくピントも合わせて、撮影ですが、この15mmでの撮影が終わるまで、ホワイトバランスがうまく合っていませんでした。先日も少し話をしましたが、トーンカーブの右側の裾が合うようにすると、そこそこのホワイトバランスになるようです。後は画像処理後にPSPの自動ホワイトバランスをかけて、なんとか合わせてます。

ただ、既に惑星が西に傾いてきたので、かなりシーイングが悪くなっています。ピントも良く分からないぐらいにジラジラしてます。画像もなーんとなくボケた感じで、「こりゃあ、6mmで撮影してもダメだな」という感じでした。ならば…
ようやく思い当たりました。そうだ、ウチには2倍バローレンズがあったんだった。

厳密にいえば5倍バローレンズもあるのですが、とりあえずビクセンの2倍バローレンズであれば、Tネジが切ってあるので、カメラアダプターがそのまま使えます。いや、CMOSなら31.7mmスリーブにしてもいいんですが、あっちこっちアダプタを交換するのも面倒なので…(^^;

さて、このバロー、撮影した大きさは少し小さくなりますが、意外とシャープに写ることが分かりました。ということで、以下はUW15mmとバローレンズとの比較をしてます。バローレンズは一応2倍ということにしていますが、実際には接眼レンズを差し込まず、焦点位置がだいぶ後ろなので、3~4倍の拡大率が出ているかもしれません。どこかで検証が必要かな…。

共通データ:ZWO ASI183MC Orion CarbonSTD300mmF4 1000カット動画)
Vixen AXJ赤道儀 AutoStakkert!3でスタック。Registax6でウェーブレット処理

木星 UW15mm拡大 (約6,000mm) 1/12sec ゲイン215
ギガント+ASI183MCによる木星 UW15mm拡大 2020年9月21日

Registax6で、相当に強調処理をしてます。なので、妙に四角い疑解像がでてます。

木星 ビクセン2倍バロー(約2,400mm) 1/60sec ゲイン282
ギガント+ASI183MCによる木星 2倍バロー拡大 2020年9月21日

なんかシャッタースピードを失敗してゲインが高めですが、それでも、こちらの方が少しいい感じがしてるかと思います。強調してても、それほど無理しなくてもいい感じです。大赤斑が隠れてしまったのが惜しまれます。

土星 UW15mm拡大 (約6,000mm) 1/4sec ゲイン259
ギガント+ASI183MCによる土星 UW15mm拡大 2020年9月21日

土星だとだいぶ暗いので、露出が1/4秒まで長くなってます。それでもちゃんと露光できるのはいいですね。だいぶ解像度が落ちてるイメージで、木星の縞々が薄くなってしまっています。

土星 ビクセン2倍バロー(約2,400mm) 1/6sec ゲイン229
ギガント+ASI183MCによる土星 2倍バロー拡大 2020年9月21日

やはりこちらの方がくっきり写っています。縞模様の関係はホワイトバランスの影響もあるかもしれませんが、バローレンズの方が光学系がすっきりしている分きちんと写るのかもしれません。

これだけバローの性能が良いのなら、ED系のバローレンズを導入して、もう少ししっかり撮影してみたくなります。ただ、テレビューのパワーメイトは高価ですし、既に在庫がしばらくないという話もちらほら…
カメラアダプターを取り付ける前提で使うなら、GSOの2インチEDバロー辺りが手ごろかなぁ、と思い始めてます。火星接近に合わせるなら、そろそろ思い切らなければ…(^^;


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コメント

安物でも・・

UTO
バローレンズってシンプルな光学系なので、安物でも性能は出てるようで、まともに写りますよね!
下手に3枚玉を使うより2枚玉のものの方が性能が良いような印象もあります・・。

Re: 安物でも・・

UTOさんどうも~。
やっぱバローだと、光学系がシンプルになる分、性能が出やすいんでしょうねぇ。

EDレンズとかの効果がどれぐらいあるかも気になりますね。それ以前に大気分光の影響の方が大きいかも…
とりあえず、火星に間に合うようにポチってしまったので、また比較してみたいと思います。
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