ナローでも 最後の決め手は 画像処理 (馬頭星雲、モンキー星雲)
寒い日が続いていますが、大寒を過ぎて緩みそうな気配も出てきました。こんばんは。星の玄さんです。(そろそろクレーム来るかな(^^;;
さて、この寒い時期、平日に限って良く晴れます。ただ、今年は宅撮りできるようにと星見台にピラーを設置しました。EM200にSE120を乗せて、そろそろ返却しなきゃいけないL-eNhanceフィルターことバモス君を付けてじっくり撮影してみました。狙いは馬頭星雲と、少し導入しにくいけど、このフィルターで撮って見たかったモンキー星雲です。
極軸をしっかり合わせ切れていないのでガイドが多少ずれるのは承知の上で、2分露出にチャレンジしました。更に強風が時折吹き荒れる夜でしたので、星像や星雲の細かいところは出ないかな、というので半分割り切りです。淡い部分がどこまで出てくれるか?という狙いです。
さて、撮影結果はそこそこいい感じです。最近あちこちで言われているように、ISOを無理に上げずに、1600ぐらいに抑えてみました。画像処理できちんと持ち上げることができるなら、ISOは低い方が全体的な諧調は整うようです。問題は、きちんと仕上げられるかどうか、なんですがね(^^;
馬頭星雲と燃える木星雲。画像処理による違い

Canon KissX9i(HKIR) Kenko SE120+x0.8レデューサー (400mF4.0 120secx16 ISO1600)
タカハシ EM200赤道儀ノータッチガイド YIMGでstack+PaintShopProとIrfanViewで調整フィルター:Optlong L-eNhance
ISO感度の問題はとにかく、今回わりとはっきりしたのは、自分の画像処理の考え方はまだまだ甘い、ということでした。このバモスフィルターはワンショットナローバンドとしてもそこそこ狭い範囲を切り出してくれるので、赤い星雲を撮影した場合、本当に真っ赤な結果になります。そのまま強調してしまうと、強調しきれない段階で真っ赤でべっとりした形になって、細かい構造が全く出てきません。何度かやり直してみたのですが、どうもうまく行きません。
あきらめてPaintShopProからjpegで書き出して、IrfanViewでリサイズをしてみます。この段階で左側の結果です。しかしどうしても気に入りません。のっぺりなのは承知で、暗い部分を持ち上げてみましたが、そのままだと真っ赤な塗り絵になってしまいます。
「うーん、赤い色が飽和してる感じだなー。一般写真でもよくあるヤツみたいだな。こんな時は彩度を下げてみるんだよな。」
と思って、そのjpegのままIrfanViewで彩度を下げて、コントラストを上げてみます。
…と、燃える木の細かい部分が見えてくるではないですか!? おやああぁぁ?
この段階では、Jpegを強調してるので諧調が飛んでしまって絵にはなりませんが、傾向はつかめました。要は、赤が強くて彩度が高いため、赤飽和でうまく強調できないのです。本来ならば、RGBの三色分解してL画像のみ強調処理すればいいはずなのですが、そんな処理はまだやったことがありません(^^;
ならば、とりあえずの処理として、強調前の元画像の彩度を思い切って落としてやれば、そこそこうまく行くのでは?ということで、またやり直しです。元画像を彩度処理で-35%ほどやってみて、そこから強調処理をしてみました。
結果はビンゴ!(…と言っていいのか?)。ガイドずれとかは、もうどうしようもありませんが、淡い部分は結構持ち上げても諧調がベッタリすることはなくなりました。調子に乗って強調処理してみたのが右側の画像です。赤以外の色も辺に持ち上げたりする必要が無いので、背景も少しマシになってます。大事なことなので確認します。元画像は全く同じものです。強調処理(最初に彩度を落としただけ)だけが違います。

モンキー星雲(NGC2174) 撮影データは上と同じ
同じようにモンキー星雲ことNGC2174も処理してみました。市街地でもこれだけ写ります。ガイド撮影や光学系をもう少し調整して、じっくり仕上げてやればもうちょっとしっかりできそうです。今後の課題ですな。その前にステライメージを使えるようにならなければ(^^;;
ちなみに、モンキー星雲、久々に手動導入しました。M35までは割と簡単に分かったのですが、そこから先、ファインダーでは見えない星雲なので、星図と双眼鏡とでにらめっこうしながら導入。真上付近なので首も痛くなりました…が、いや、まぁ、なかなか楽しい時間です。最近は自動導入ばっかりで、撮影効率としてはいいのですが、たまにはこんなのもいいですな。
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コメント
おはようございます。
改造デジより、X-Aで撮った方が色バランスはまだ取れたかも?
低ゲイン、低ISO感度は、だいぶ認知されてきたのですね、、。SNSやってないとどうしても情報難民になっちゃうなあ・・。
自分でも推しつつ、自分の作品の優位性が・・Σ (゚Д゚;)
高ISO,高ゲインも撮り方次第だと思っています。
超高感度設定やCMOSカメラでのハイゲイン設定の場合、露出は切り詰め、多数枚で撮る、ケースでは非常に活きてくると思います。
特に、デジカメだと適正露光で、適切な映像エンジンの効果を得られる恩恵があるんじゃないかな、と思ってますが、、、逆に僕からするとデジカメ画像の難しいところの一つ、という感じがします。
彩度を落とすと構造が出る、は、最初の色バランス設定で回避できる可能性もあるのかな?とは思いました。
僕は改造デジカメはあんまり使わないのですが(いや、お借りしてるので使わないと・・・^^;)、改造デジカメだと例えば、フラット補正用のデュフューザーを装着した状態で、空でカラーバランスを取る、なんてことできませんかね?(露出時間が短そうだから無理かなー・・・)そうすると、光害のカラーバランスの崩れ、IR領域のWBも取れて、最高のデータが得られるような、気もするんですが、そもそも、WBを取る部分が短時間露光ですよね、きっと・・
遠征復帰したら、デジカメも使っていきますので、またいろいろと教えて下さいm(_ _)m
2021/01/23 URL 編集
Re: タイトルなし
確かにFUJIのカメラでテストしてみれば、また違った結果が出たかもしれませんが、ワンショットナローなので、かなり偏った結果になるのは多分…
ロードスターで一度試してみるかなー。
HKIRが2台になったので、X-Aは実は近々手放す予定だったりします。T1はしばらく置いとくかな。
低ISOは、おっしゃるように露出時間との兼ね合いがあるので、最後はバランスだと思います。CMOSカメラなら、変に足切りとかも無くてきちんと使えるんだとは思いますが、デジカメだと、ヒストグラムの幅が狭すぎると、そこからストレッチしても…というのはありますよね。14~16bitぐらいあれば行けるのかなぁ。
空でカラーバランス取る、というのはできそうな気もしますが、そもそも今回のは単純に赤が飽和してるので、私の腕がそれ以前の問題というだけだったりします(^^;;
画像処理は、最近ようやく少しずつ理屈が分かり始めたところなので、私の方が色々教わることは多いと思います。よろしくお願いします~。
2021/01/23 URL 編集