覚えとけ ギアを押すのは 一度だけ (黒技 CEM25EC クランプスプリング)


こんばんは。玄です。さて、黒技(Black Technique)第二弾、今回は失敗の巻です。

ギガントで遠征する際も、サブの赤道儀として活躍してくれているまる子(CEM25EC)ですが、先日のガタの件から、なんとかもうちょっとトラブルを減らしたいと思って、少し試してみました。

結論を書いておきましょう。本対策は、役に立ちません失敗です真似しないでください
…と言っても、そもそもユーザーが少ないので真似する人はいないとは思うのですが(^^;

さて、このまる子、モーター、というかベルトが非力なせいか、バランスが少しでも悪いと「んぎゃー」と言って脱調してしまい、まともに動かなくなることがあります。以前販売店の三基光学の店長さんに相談した時は、「目いっぱい締めこんで、ほんの少し緩めるぐらいがいいところだよ」と教えてもらって、それで運用してました。

しかし、この微妙な締め込みでも「んぎゃー」が出ることもあり、ほとほと悩んでました。この「んぎゃー」は、先日のトラブルの時も検討したのですが、スプリングの締め込みが甘いからだと思ってました(今回の検証の結果、違ってました)。

まる子のウォームの構造上、このスプリングでウォームに押し付けて、バックラッシュやピリオディックモーションを防止している仕組みに違いないと思ってたんですね。バネで押し付ける仕組みとしては、こちらのページの最後に図があるので、この辺が参考になるとは思います(勝手に引用させてもらいました、。すんません)

まぁ、ウォームをバネ(この時はスプリングワッシャー)で押し付けるというアイディアは、以前GP-Dでやってみてうまく行かなかったのですが、とにかくそんな構造なんだろうな、やるなiOptron、と、勝手に思ってました。ただ、この場合、ウォームをホイールに押し付けるための圧力はかなり必要なはずです。付属のクランプ用のスプリングでは、全然足りる気配がしません。

CEM25EC クランプスプリング強化黒技その1

バラしてみたクランプネジ。左側のネジ部分に穴が開いていて、スプリングが入っています。赤道儀のウォームブロックに当たる部分にはスムーズになるようにボールが入っています。

スプリングを強化したかったのですが、そんな丁度良いスプリングは売ってません。そもそも外径7mmぐらいで短くて強力なバネなんて、簡単には無いんですよね。特注するほどのものでもないし…

スプリングの強化方法としては、内側に細いスプリングを挿入して、ダブルで押す、という方法があります。しかし、これまたそんなに細くて強いスプリングなんてありません。でも、ここで普段の生活を振り返ってみました。

家の中には、手動でポンプみたいな動作をするものがいくつかあって、そこにはスプリングが使われているはずです。最初に思い付いたのはライターでした。これは子供がいたずらで使えないようにするために押しボタン部分が強力になっています。しかし、バラすのが大変そうで危険な気配がするのでヤメました。

次に気が付いたのが、スプレーボトルです。メガネクリーナーとかコスメとかで使っている霧吹き用の小さなボトルにスプリングが入っているのを見つけました。で、よく考えてみると、似たようなものは家の中にいくつかあります。不要になってバラせたものは、ケミカル用のスプレーグリップ(マジックリンとかのボトルのグリップです)、そして意外だったのがシャンプーボトルです。このポンプの根本にも強力スプリングが入ってるんですね。

CEM25EC クランプスプリング強化黒技その2
取り出したスプリング。左側がシャンプーボトルの根本。右側がスプレーグリップの根元に入っていたスプリング。どちらも結構強力です。

ニッパーでプラスチックをブチブチちぎって取り出してみました。結果として、シャンプーボトルのスプリングは大きすぎて使えません。右のスプレーグリップに入っていたスプリングが太さ・強度的にいい感じです。長さが長いので半分ぐらいに切って使いました。
こんな感じでスプリングの内側にはめ込むことができています。元のスプリングより短めにしたので、締めこんだ時に同時に効いて、強力に押す力が発生します。これで完全に解決するはず…!

CEM25EC クランプスプリング強化黒技その3

ということで、色々苦労してなんとかここまでたどり着いたのですが、実際に試してみると思わぬ動作をします。モーターカバーを外したままの状態で、色々試してみます。

締めこんでみると、確かに今までよりも強い力がかかっている感じがします。ところが、その状態でウォームを回してみると、今まで以上に「んぎゃー」が多発したのです。動かす向きにもよるのですが、結果として、相当に緩めて、ようやく「んぎゃー」が出なくなりました。
…これはおかしい。こんなに緩めてまともに動くはずがない。何かが違う…

ということで、スプリングは元に戻して、もう一度色々試してみました。

少なくとも、私がたどり着いた結論は、「ウォームブロックを一度しっかり噛みこませてやれば、その後は押し付け圧を解放してもしっかり動く」ということでした。ヘタに押し付け圧をかけると、ベルトがスリップして「んぎゃー」が発生します。

つまり、クランプの締め方も、
「完全に締めこんだ状態からちょっとだけ緩める」のではなく、
一度締めこんでギアがきちんと合わされば、後はしっかり緩めること
バランスは完璧に合わせること」が大事なようです。

今回の試験を色々やって、さんざん「んぎゃー」を発生させた結果、ベルトに無理がかかってみたいで、少しガタが出るようになってしまいました。この辺、ウォームブロックの問題も含めて、本当なら一度メンテナンスに出した方がいいのかもしれません。面倒なのでそのままになる可能性が高いですが(^^;

なお、今回の結論も、はたして正解なのかどうかは分かりません。とりあえずクランプを一度締めた後、開放する形で少し運用してみたいとは思います。似たような苦労している方、いません?いないか…。


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