玄の館 ブログの部屋
新機材 晴れの間に 狙う星 (ラズパイでオートガイド 実践編+α)
2021
/
06
/
12
機材
こんばんは。玄です。いやまぁ、新機材と言っても、先日来紹介しているラズパイの話です。ようやく、実戦投入らしき運用ができました。問題点も結構ありそうです。
運用形態は
先日も少し紹介した
ように、星見台に設置したEM-200、極軸てきとーの状態に、比較的焦点距離の長いリチャード君(GS-200RC)を乗せて、75mmレンズを付けたSSAGをラズベリーパイ4に繋いでオートガイドを行う、というものです。ソフトはPHD2ですが、今のところは初期設定のままでやってみました。
最初は木曜日の夜、久々にすっきり晴れた感じの宵の内だったので試験を開始しましたが、まず悩んだのが「何を撮る」かです。星見台からは主にに天頂から西の空しか見えないのですが、春の星座たちになるので今一つ導入しやすい天体がありません。EM姫(EM-200)は自動導入ではないので、明るい空の下、導入できるものは限られるんですよね。とりあえず、ガイド結果の分かりやすいであろう球状星団、それも明るいもの、ということでM3かM5あたりかな、と絞り込みました。M3はあまりに天頂近い場所だったのであきらめて、M5を導入することにしました。
…久々に周辺の星々が分かりにくいところでのフル手動導入です。馬頭やバラ、M42とかなら、まだ星の並びが分かりやすいので導入は難しくないのですが、M5やM3は結構苦労しました。もう少しすればM4とかが見えるようになるのでちょっとは楽になるんですけどねぇ。
なんとか導入できて、M5を狙います。
結果、想定よりもずいぶん結構時間がかかってようやく導入できました。これでオートガイド撮影を開始すれば…と、ラズベリーパイ4をON!。VCNでPHD2を立ち上げて、キャリブレーションを開始…。しかし、思った通りには行きません。
まず、キャリブレーションに結構時間がかかります。東西のキャリブレーションに7~8分かかった上、南北に移ったところで「Backlash clearing Step…」として数十ステップを行い始めて、最後は「failed」とさみしいエラーを吐いて沈黙してしまいました。なぬー!?
キャリブレーションに多少時間がかかるのはまぁ、設定次第のところはあるとして、backlashのステップがいっぱい出てくるのは今まで無かったので、これはなんだ?と悩んでしまいました。今まで出てなかったはずだし、赤道儀も変更していません。違ったのは検証の過程でPHD2のインストールが少し違ったぐらいです。何度か繰り返してダメだったので、最後はマイクロSDカードを差し替えて前のインストールイメージで試したり、果ては(自宅だったのでできたのですが)ノートPCを持ち出してパソコンのPHD2で確認したりと、総動員で原因を探りましたが、いずれのPHD2も同様にBacklash Clearing…と出て先に進みません。ということは、原因はハード的な何か?
最後にPCまで引っ張り出したのは正解でした。PCでだけ、エラーの原因が表示されました「星の動きが足りません」
…え?、もしかして、南北の動きが、動いていない!?そんなバカな!?
いや実際、改めてコントローラーを握りしめて確認してみると、確かに南北が動きません。え?壊れた!?(青ざめる)
コントローラーでスイッチを切り替えて高速モードにするとちゃんと動きます。ノーマルモードだけで南北の動きが無くなってしまうようです。
色々やってみたのですが、この日はこれ以上は何もできず、撮影出来ないまま撤収となりました。
翌日、EM姫を確認してみます。ノーマルモードの動きはすごくゆっくりなので、目視で何かを確認するというのは難しいので、EM姫を床に寝かせて、耳をぴったりくっつけて音を聞きながらあんなことやこんなことをしてみます。(…言い方!)
あれこれ試していると、ノーマルモードでも南北を動かしたときに音がすることがありました。しかし、いじっていると動かなくなります。あれ?
色々検証した結果、ノーマルモードでの速度調整を最大にして、電源を入れた後そのダイヤルを一切触らなければ、一応動いてくれることは確認できました。一応基板もざっと見てみましたが、素人が見た限り配線が外れたりとかはなさそうなので、もうこの状況で使うしかなさそうです。ダイヤルといじると使えなくなるので、その場合は電源をOFF/ONすればまた使えるようになるようです。なるほど、
前回チェックしたときになんとか動いた
のはこういう事だったのかな…。今回、壊れたのかもしれないのですが、今までこの赤道儀でオートガイドをしたことがほぼ無かった(というか、できないよな…)ので、不具合に気が付かなかっただけなのかもしれません…。
さて、なんとか運用の目途は立ちました。後はテストです。昨夜、オンライン飲み会をした後(^^;、外に出てみると、良く晴れています。来週から梅雨入りしそうな気配だったので、これはテストをしておかねば…。
少し遅い時間でしたが、動作確認をしたEM姫を再度引っ張り出し、リチャード君も再セットアップして撮影を開始しました。M5の導入は前夜に練習していたので、若干時間はかかりましたが、割とすんなり導入できました。
赤道儀の赤経側の速度も若干いじってたので、ちゃんと動かすのに戸惑ったり、相変わらずキャリブレーションステップが多くて多少時間はかかりましたが、今度はきちんとキャリブレーションも終了し、ガイドが始まりました。やれやれー。
Canon KissX9i KASAI GS200RC+x0.8レデューサー(1300mmF6.4 180secx4 ISO 400)
StellaImage9+PaintShopPro+IrfanViewで調整
雲が出てきたという事もあって、フラットもダークも撮っていないし、たった4枚ですが、今回はガイドの確認ということでここまでです。
ちなみに、M5が真ん中に無いのは、導入後、キャリブレーションしててあまりに長いので、途中で調整しようと思って一度ぶち切ってるからなんですね。そのままキャリブレーションを再度行ったので、ズレたままになってしまってます。オートガイドあるある…ですよね(違)。
で、肝心のガイドは…うーん。東西に結構ブレてますね。等倍で見ると、目も当てられない状況になっています。でもまぁ、極軸の合ってない状態で、3分露出でこれぐらいで済んでいるので、一応オートガイドをしているからこそ、にはなってるんですよね。
ガイド不良については、焦点距離1300mmを75mmのガイド鏡でガイドしているので無理はあるのですが、ガイドグラフを見る限り、それでもちょっとガイド振れ幅が大きい気はしています。キャリブレーションに時間がかかるのをはじめ、いろんなパラメーターの調整が必要な気がします。まずはパルス周期が2000msecとなっているのを短くしてみるかな…。
その他、ガイドの振れ幅が大きい原因の一つが、ガイド鏡を筒の先端に付けているからではないかと踏んでます。たわみの影響も見られるかな?と思って先端に付けているのですが、その分赤道儀の修正に(イメージとして)ぶんぶん振り回される感じで過補正になりやすんじゃないかなー。極軸があっていないので、赤緯は一定方向に補正がかかっていて、これはそこそこ行けてる感じです。赤経方向の不安定な感じが調整できれば…と思ってます。
その他、問題点としてはディスプレイ&操作用として使っているタブレットとの間のVNC接続が、結構切れます。部屋に入るとWiFiが弱くなって…ということもあるようなのですが、安定している時と切れるときの違いが分からなかったりと、割と不安定な感じですね。この辺、タブレットのせいなのか、置き方や電波のせいなのか、ラズパイの処理能力等のせいなのか、もう少し確認が必要そうです。まぁ、今回のテストではラズパイ側が落ちることは無かったので、とにかく動かすことができれば行けそうです。
遠征での実戦では、赤道儀も筒も変わるので、接続や運用方法も含めてまだまだこれからが本番、ということではあるのですが、まずは北極星の見えない自宅からの撮影ができるようになった、というのは自分としては結構意味ある状況になったと思います。TNKの卒業に向けて、まず一歩前進です。
しかし、EM-200。一部壊れてて、更に手動導入しかできないので、この際改造に出してしてしまおうかと思ってしまったのは、まぁ、秘密にしておきます…(^^;;
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