秋雨で ピントと増速 試し打ち (令和TNK その4)


こんばんは。玄です。
さて、令和TNK(て・ぬ・き)、導入機材のチェックの続きです。
本日は雨なので、あまりできることは無いのですが、室内から少し遠くを見てみて、わかる範囲で色々チェックしてみました。いくつか分かったことがあります。
スタークエストP130N 接眼部とファインダー

1) そのままでは一眼カメラの直焦点のピントは出ない(短くする必要がある)
2) アップグレードキット(モータードライブ)は、増速/減速機能が隠されている
3) 三脚の先端はゴムでカバーされている
4) アリガタ固定ネジが微動ハンドルの固定ネジに当たることがある
5) 斜鏡の穴の奥には、六角ネジ頭が存在しているらしい


順に行きます。

1) 一眼カメラのピントは出ない

まず、安価で手軽な撮影の条件となる、一眼レフ、もしくはミラーレスで撮影するため、直焦点のピントはかなり重要なポイントなのですが、どうやらそのままでは撮影出来ないようです。スリーブに入れられたり、素子をかなり近くまで持ってくることのできるCMOSカメラであれば、もしかしたらピントが合うのかもしれませんが、一眼カメラでは難しそうです。

amazonでレビューされてるかくすけさんの情報だと、鏡筒表面から55mmほどのところにTリングが来ないとピントが来ないようです。無改造状態だと、Tリングまで90mmぐらいあるので、4cmほど前に出す必要があります。現状のドロチューブではちょっと無理。
接眼部を2インチにしてしまうのなら、カサイのDXマイクロフォーカス接眼部を導入するという手もあるけど、これは単体で31,350円(税込み)もします。※1。さすがに鏡筒+赤道儀よりも高い接眼部を導入する勇気はありません。

先のかくすけさんの情報だと、オリジナルの?フランジにSvBonyのSV161を取り付けて、Tリングを付けた上でPentaxで撮影しているとのこと。むむ、確かにこれならなんとかなりそうな気もしますが、問題はこのフランジとSV161を購入して加工しなければならない事。ちょっとハードルは高そうです。

もう少し気軽にできないものかと悩みますが、ニュートン反射で焦点位置が短い場合、取れる手段はそう多くありません。先の様に接眼部を変更するか、周辺減光承知の上で、ギガントの様に筒を短く切るか…。5cmほど切れば多分ピントは問題なくなるのでしょうが、まだほとんど使ってもいないスチール鏡筒を5cmも切る勇気も根性も無いので、この辺は最終手段と考えておきます。

切断しなくても、鏡を前に出せばOKなので、主鏡の下に何か入れて、上げ底してしまえばいいはずです。4cmも上げ底するのは色々困難がありそうですが、うまくやれば光軸調整の機構も組み込めるかもしれませんので、やってみる価値はありそうです。まずはバラして、主鏡セルの構造を確認してみる必要がありますね。ついでに斜鏡の構造も見て、光軸調整できるようにしてしまいたいところです。

世の中には、色々改造されている方もいるので、諸先輩型の情報を得ながら、ぼちぼち検討していきます。
タイミング的には、シベットさんのフルアーマースカイステージなんてのがありますが、私はここまでできません…(^^;。他にも、KenkoのSkyExplorer 10cmをフル活用されているykwkさんとか、色々参考にさせてもらっています。

2) アップグレードキットには、増速/減速機能が隠されて?いる

これは、個人的に葉少し面白い結果です。このスタークエストシリーズ用のモータードライブ、「アップグレードキット」は、税込みで7千円前後と、格安で、かつ単三2本で動くというお手軽キットなんですが、スイッチは、OFF/南天/北天のひとつ(1スイッチで3点)しかありません。大きく動かしたいときはクランプ機能があるので、必要に応じて手動で動かせばいいのかもしれませんが、惑星を見るときなどは増速/減速(もしくは停止)のスイッチが欲しくなります。もちろん、直焦点撮影をするときも同様です。しかし、そんな気の利いたスイッチはありません。
アップルグレードキットモータードライブの秘密

ただ、そんなに割り切った仕様なのに、何故か「オートガイドポート」があります。※2
まぁ、今やポタ赤にも普通にオートガイドポートがある時代。格安のこのキットにもついていてもそれほど不思議ではないのですが…。

そもそも、オートガイドするためには、少なくともピリオディックモーションに対応できるだけの増速/減速ができなければ意味がありません。本体にはそんなスイッチはついてませんが、わざわざオートガイドポートがある、ということは、もしかしたらこのオートガイドポートを通じてなら、増速/減速ができるのでは…? ワクワク。

試してみました。晴れてないのでまだ実際の星では確認できません。なので、「音」で確認です。普通にスイッチを入れると、モーターが回って、かすかな音を立てます。耳をくっつけると

「カッチ・カッチ・カッチ」※3

と、音が聞こえます。音が聞こえる機構はよくわかりませんが、正確に時を刻んでいるような音なので、回転数の参考にはなりそうです。

次に、オートガイドポートにケーブルを刺して、ガイドカメラのSSAGに接続、SSAGはノートPCに繋いで、PHD2を立ち上げます。PHD2の手動ガイド画面にして、「WEST」ボタンを押すと…

「カチカチカチカチ」…!

明らかに増速した様な音になりました。では、減速「EAST」ボタンを押すと…

「カッッチ・・カッッチ・・カッッチ・・」…!

停止ではなく、明らかに減速したような音になりました。おお!おぬし、なかなか小癪な真似をするではないか。

ということは、増速、減速ともに機能としては存在していることになります※4
この辺、内部でうまく配線して、外にボタンを出すとか、コントローラーを繋いでやれば、操作しやすい環境を作ることができる…かもしれません。場合によっては、オートガイドポートに増速/減速のボタンを付けたコントローラーを繋いでもいいかもしれませんね。

ということで、撮影する上で重要そうな事を二つほど確認できました。後はおまけの確認です。

3)三脚先端部がゴム…

スタークエスト 三脚先端はゴムでカバーされている

付属してきている三脚にはあまり期待はしていないのですが、困ったのは先端がゴムで覆われていることです。芝生や柔らかい地面にぶっ刺せば関係ないのかもしれませんが、コンクリートや固い床の上に置いた場合、ゴムで支えることになるので、かなり「ふわふわ」です。これは、屋内から使われることも想定して、床を傷つけないように配慮してこうなっているのだとは思うのですgあ、こと撮影レベルでしっかり固定しようとすると、邪魔なだけです。キャップ的にゴムをかぶせてあるだけなら、外せばいいのですが、このゴム、先端を完全にコーティングしてあるかのように付属しているため、外せそうにありません。三脚を立てて、上から少し力を加えてやると、「ぐにゅぅ」という感覚があります。撮影上、あまり好ましくありません。困りました。
三脚の精度や強度を考えても、伸縮させて使うことはあまり無いでしょうから、いっそのことこの先端ごと伸縮機構の細い部分を取り去ってやろうかとたくらみ中です。以前シュークリーム三脚でもやりましたな。※5
もっとも、実用上は、三脚や赤道儀のその他の強度やたわみから言って、誤差の範囲なのかもしれませんが。※6



4) アリガタ固定ネジが赤緯微動ハンドルの固定ネジに当たる…

スタークエスト アリガタネジと赤緯微動ハンドル固定ネジが当たる

おまけ情報をもう一つ。簡単に着脱できるアリガタ/アリミゾ部分ですが、アリミゾの固定ネジが曲者で、角度によっては赤緯微動ハンドルの固定ネジに当たってしまいます。この辺、かなり微妙ですが、南天の星を見ていればどこかで当たってしまいそうなので、頻度は少ないけど、注意が必要です。

5) 斜鏡サポートにある3つのネジ穴の奥には…

スタークエストP130N斜鏡

主鏡側には光軸調整装置らしきものはまだ見当たらないのですが、工場で光軸調整をする際に、なんらかの方法は使われているはずです。斜鏡サポートを見ると、一般的な中央固定ネジと、周辺に3つの穴が見えます。ぱっと見た目にはメスネジが見えるだけで、これで調整ができそうな感じはしてませんが、奥の方まで光を当ててみると、突き当りに何かありそうです。試しに細い六角レンチを入れてみると…!ビンゴ!。きっちりハマりました。怖くて動かすことはまだしてませんが、恐らく中央のネジを少し緩めてやれば、六角レンチで光軸調整ができるのでは…と期待しています。

TNKで撮影するためには、何はともあれ、ピント出しですね。主鏡を前にシフトできるのか?、それとも接眼部を大幅に改造しなければならないのか…?次は主鏡をバラして確認してみたいと思います。


※1 いや、機能的な面から言えば、決して高いわけではないと思います。実際取り付けができれば、快適になりそうな気はします。
※2 モーターは1軸なので、赤緯の補正はもちろんできません。こんな安価なシステムにガイドポートがあるのは不思議ですよね。
※3 実際のスピードは、「カチカチカチチ」というレベルですが、ここではスピード比較のイメージとして、上記表現にしています
※4 繰り返しになりますが、実際の星を追尾しての確認はできていません。あくまで音での想像です。
※5 EM-200用三脚です。何故「シュークリーム」なのかは、リンク先をご参照ください。
※6 なんかこんなんばっかりですが…。うまく行かなかったときのための伏線です(^^;

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