木星も 土星も飛ばそう 新バロー


28日の土曜日の遠征では、後から考え直してみると、結構色んなことをやってます。滞在時間は3時間ぐらいだったし、主砲のギガントはお留守番だったのですが、久々の遠征ということもあって、色んなことを試してました。我ながら忙しいな、と思ったはずです。

ひとつは先日も紹介したプロミナーの固定方法確認です。確実な成果、とはいきませんでしたが、とりあえず使えるのは分かりました。

もう一つは、実は直前(というか、当日)届いた新兵器、アストロフィジックス 2インチ・アドバンスト・コンバーチブル・バロー(…長い名前だ…以下BARADVとします)の実践投入でした。
アストロフィジックス 2インチ アドバンスト・コンバーチブル・バロー

ただ、購入したてで、光学的に「これが正解」というところまでたどり着いていないまま、現地でいきなり実践投入になったので、かなり苦労しました。プロミナーでそこそこ撮影ができた(と思った)ところで、別途用意していた光圀さん(BORG107FL)にバトンタッチです。
初投入のBARADVを2インチホルダーにセットして、カメラはCMOSのZWO183MCをセット。PCに接続します。実は遠征先でCMOSカメラを使うのも初めてかもしれません。たいていは自宅で色々楽しむ、という用途で使っているので、電源関連が少し心配でした。幸い、ノートPCの充電もしっかりしておいたのと、時間もそれほど長くなかったのでノートPC(VAIO Pro11)の電源だけで問題なく使えました。

さあこれで木星を導入して…と簡単に思ったのですが、はい、ハマりました。直前に天の川ライブをやってたので、撮影条件はゲインマックス、長時間露光(と言っても1秒ぐらい)になってたのが、まだ幸いでした。そう、ピントがボケボケでした。木星はピンボケであわーい光の環っかになってて、かすかに見えるぐらい。そこからドロチューブを引き出してピントを合わせますが…足りません(^^;; <<やっぱし

この辺、BARADVとCMOSとの位置関係や倍率との関係、そしてフォーカス位置との関連などをあらかじめ調べておけば、色々調整できたのかもしれませんが、なんせぶっつけ本番です(といいつつ、その後も調べてないけど…)。とにかく、足りないフォーカス部分をどこからか引っ張り出して伸ばしてやらなければなりません。最終的に、BARADVの差し込み部分を可能な限り引っ張り出して、BORGの2インチホルダーに「ひっかける」ぐらいまで延長して、なんとかピントが合いました。今後の事を考えると、延長ホルダーか何かがいるかなぁ。

さて、なんとかフォーカスが来たので、現地でスマホテザリングからZoomを繋いで、惑星のライブ中継です。クラブの皆さまが例会の後でオンライン飲み会をやっているところに乱入して、勝手に(いや、ちゃんと許可は得ましたが)惑星観望会に突入です。木星、土星と見て、誰もいない現地から、わいわい繋がってました。なかなか面白いですな、これ。土星なんかは、露出を思いっきり上げると、衛星らしきものがかなり写り込んで、どれがどの衛星だー、と、盛り上がりました。多分一番左上の明るいのがタイタンで、後は、ディオネ、エンケラドス、レア、ハイペリオン…辺りだとは思いますが、確証は持てません。でも、露出を変えるだけでこんなに楽しめるのは、電視観望ならではの楽しさですね。

土星の衛星たち 2021年8月28日
ZWO ASI183MC BORG107FL BARADV(多分1400mmぐらい Gain388 0.65sec)

さて、せっかくのファーストライトですので、撮影もしなければ面白くありません。木星、土星とも、拡大したものを500枚ずつほど撮影して、記録しておきます。撮影形式はいつものjpegです。これだと、無圧縮動画と違って、せいぜい1GB程度におさまるので、後から動画を削除する、という葛藤に見舞われなくて気分的に楽なんですよね。太陽や月面の結果を見る限り、画像劣化もそんなに無いと…思ってました(^^;;

バローファーストライトの木星だが… 2021年8月28日
ZWO ASI183MC BORG107FL BARADV(多分1400mmぐらい Gain254 0.0085sec 350/500枚)
Jpeg保存をAutStakkat!3+Registax6+Irfanviewで調整

自宅に帰ってきてから画像処理を進めます。まずは木星なのですが、そのままだと少し小さいので、AutoStakkert!3で、Drizzleで1.5倍や3倍にしてスタックをして、Regisatax6に持ってきてウェーブレットをかけていきます。模様がはっきりしにくいので、今回は思い切りかけて…とやってたら、何やら格子状の模様がかなり出てきました。

うーん、これだとデノイズ処理をかなりかけないと格子が目立つな。この格子、Drizzleで拡大してるからなんだろうな。それなら、まずは拡大処理をしない等倍でもう一度スタックして…あれ?やっぱり出るぞ。ということは…。

…そうです。まだ確認したわけではありませんが、この格子状のノイズ、恐らくJpegで保存したことによるノイズだと思われます。容量をケチった結果が、こんなところに出てきているんですね…涙。

土星も撮ってみた 2021年8月
ZWO ASI183MC BORG107FL BARADV(多分1400mmぐらい Gain147 0.095sec 350/500枚)
Jpeg保存をAutStakkat!3+Registax6+Irfanviewで調整

でも、気になるのは、同じようにjpegで保存している土星の場合は、こんなノイズが出ないんですね。土星は輪っかがあるから、その辺の圧縮ブロックノイズの出方が変わってて、うまい具合に格子状のノイズが出ないのかもしれません。むうぅ。保存方法含めて、もう少し運用を考える必要がありそうですな(ケチらずにちゃんと動画で保存しろということかな…)

肝心のBARADVの性能ですが、実はまだよくわかりません。今回の撮影結果だけを見ると決して悪くはなさそうなのですが、せっかくなので今まで使っていたビクセンの2倍バローとの比較をどこかで、ギガントでやりたいところです。

その前に、腰を完治せねばならんな(^^;;


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