久々の 大筒振れば 雲を呼び


10月2日の土曜日は、時折雲が出るものの、台風一過のいい天気でした。新月も近く、これは久しぶりに!ということで、比較的晴れ間が出そうな伊豆、いつものだるまを目指しました。未だ未経験の天城高原も気になったのですが、久々の土曜晴天で混むかも、ということと、どうも東伊豆は少し天気が怪しそうだったので次の機会に…としました。車の長距離運転も久々だったんですが、特に大きな問題はありませんでした。ただ、途中で結構な夕立に遭遇。一抹の不安はありましたが、20時過ぎには現地に到着。今回はまず、8月末の遠征で撮影できなかったM31、アンドロメダ銀河をプロミナー司令で狙います。

撮影開始できたところでみぞかさん&ギガントも展開。しかし、雨上がりということもあって地面がぬかるんでいるところもあり、設置場所には悩みました。硬い場所を探して周囲を照らしていると、何やら茶色い物体が転がっています。どうやら鹿の糞の模様…改めて、踏まないように結構気を使いました。

今回、星クラブの中でどこに行く?と盛り上がったんですが、結局私を含む4人が集結。まぁ、広い場所ですし、後で言うように落ち着いて何かをしよう、とかする前に撤収になったので密とは程遠い状況でした。

久々のフル装備ですが、今年の春までにメシエは一通り撮影していたので、今回からは比較的じっくり撮影を進めます。じっくり、と言っても露出30分ぐらいです。まずは暗いところで撮りたいM33から導入していざ撮影…!

が、心配していた通りになりました。予報では9時ぐらいからは風も収まってくるはずだったのですが、撮影を開始した頃はまだ風が強く(…と言っても人にとっては心地よいそよ風程度ですが…)ギガントの巨体には厳しく、撮影した画像も結構な確率で星がブレブレになっていました。

こりゃあ、ダメだな…

半分あきらめつつも、風が吹いている以上、正直どうしようもない(もしかしたら傘で風よけすれば少し改善したかもしれないけど、過去にうまく行った試しは無し)ので、とにかく撮影は続けました。今回、オートガイドシステムも持ってきていたのですが、風があればあまり役には立たないので、結局最後までテストはしないままでした。

が!

ギガントでM33 @達磨2021年10月
Canon KissX9(HKIR) Orion CarbonSTD300mm+SkyWatcherF4コマコレ(1200mm F4.0 180sec x8 ISO 1600)
Vixen AXJ赤道儀ノータッチガイド YIMGでstack+PaintShopProとIrfanViewで調整


まぁ、星像はどうしようもないのですが、さすがに伊豆、さすがにギガント、さすがに30分近い露出時間。12枚中8枚をセレクトしてスタックして、強調処理してみると、そこそこいい画像になってくれました。伊豆まで来たかいがあるってもんですよ、ダンナ。

この後、風が比較的落ち着いて、ギガントとプロミナー指令で、あんなのやこんなのを撮影していったのですが、夜半を過ぎると、再び風が…同時に、なにやら空が暗くなります。あれほど見えていた冬の星々が…あれ?

1、2回、似たような状況になった後、最後は、ぶわっ、と(まさしく『ぶわっ』と)雲の中に突入し、ほんの2m先も見えないぐらいになりました。マヂかよ。

少し待てばまた晴れてくるかも、とは思ったのですが、雲の中(だと思う。霧というレベルではなかった…)はそんなに甘くありません。そもそも湿度が高かったので、あちこち結露しかけだったのですが…

あっ!。星野用の広角レンズ曇った!。まぁ、これはいつもの…
おや?フードが深いプロミナー指令も曇った!
ああああぁぁっ!。ギガントの主鏡も曇ってる!

…もう、こうなると、ちょっとやそっとでは乾いてくれません。辺り一面、びしょびしょです。もし、この後晴れたとしても、撮影再開は絶望的でしょう。

「撤収、しますか…」

ということで、雲の中、しぶしぶ撤収を始めたのですが、お約束。撤収がほぼ終わる頃には、また星が見え始めていました。船の様な月も一緒に…え?月?

「ああ、もう月が昇る時間帯だったんですね。撤収しなかったとしても、この月明かりではちょっと…」

いずれにせよ、いいころ合いだったようです。なーんとなく不完全燃焼ですが、それでも久々の達磨の暗い空、明るい天の川を見られて、得心した夜でした。

達磨で沈む夏の天の川 2021年10月
Canon PowerShotG5XmkII CanonZoom 8.8-44mmF1.8-2.8(8.8mm F1.8 20sec ISO 3200)

また行きたい~!

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