月夜でも レナードの尾を 見る朝に (レナード彗星 C/2021 A1)


こんばんは。天リフさんの忘年会に一応登録はしてみた玄です。(きちんとエントリーされているかどうかは未確認)

さて、どんどん明るくなってきて、立派な尾が伸びてきているレナード彗星ですが、最接近時には4等級まで明るくなって肉眼彗星になるかも、と期待されています。ただまぁ、一番明るい時期は日没直後の西の空低空なので、去年のネオワイズ彗星を考えても、ちょっと難しいんじゃないかとは思っています。


11月29日未明のレナード彗星
2021年11月29日未明のレナード彗星
Canon KissX9(HKIR) Orion CarbonSTD300mm+SkyWatcherF4コマコレ(1200mm F4.0 30sec x8 ISO 1600)
Vixen AXJ赤道儀ノータッチガイド YIMGで彗星基準stack+PaintShopProとIrfanViewで調整

それでも、これだけ明るくなって、しっかり撮ることができれば、自分としては2015年のラブジョイ彗星以来になります。これはなんとしても…ということで、28日の夜、夜半には半月過ぎの月が昇って来るのですが、がんばって遠征してみました。実は、こんなこともあろうかと!、翌29日月曜日には休みを入れてあります。

思っていたよりも自宅での残務事項が多くて、いつもの毘沙門に到着できたのは20時を回っていました。早く到着できれば、秋から冬の何かを撮ろうと思ってたのですが、まぁ、月が上がってくるまでにガイド撮影のテストでも、と気楽に進めてました。あまり欲張っても結果が付いてくるとは限りませんからね。

しかし、現地でギガントを組み上げて、さあ撮影、という頃になって、風が強くなってきました。30cmF4カーボンのギガントは本体が軽く、面積もあるので風には弱いんです。顔に風を感じるそよそよ、というレベルでも相当に影響を受けます。

時折強く吹くこともありますが、無風状態の時もあり、しかも風向きが時々変わります。これはヤバイかも…。

ギガントでの撮影をあきらめた頃の星景。カメラのリモートレリーズが無様にぶら下がって風に揺れている…。
風の強い毘沙門遠征 2021年11月末
Canon PowerShotG5XmkII CanonZoom 8.8-44mmF1.8-2.8(8.8mm F1.8 15sec ISO 1600)

結果、月が上がってくるまで、ギガントではほとんどまともに撮影出来ませんでした。風の振動があるので、ガイド撮影をするというレベルでもありません。風向きが少し落ち着いてきた(でも風の強さは強くなってきた)辺りで、比較的風を避けられる擁壁側へ赤道儀含めて設置し直しました。ただ、この位置はレナード彗星が上がって来る東側が擁壁になっていて、しばらく見ることができません。

それでも、月が上がる頃には風も少しおちついてきました。レナード彗星が上がって来るころには無風に近くなり、なんとか彗星を捕らえることができました。

実は、風が強い間は、スカイメモSと50-100mmF1.8で星野撮影をやってました。こちらはポタ赤セットでセッティングも比較的簡単。少々の風ならへっちゃれです、というか風が吹いている間はレンズに結露しないのでむしろウェルカムだったりします(^^;。
こんな風に風に弱いギガントに手間がかかることを考えると、もっと軽量コンパクトな機材を主流にした方がいいんじゃないかとも思いますし、いやまて、風を防ぐための簡易テント満たないものを考えるのも面白いぞ、と思ったりもします。ん?なんか方向性が違うような…。

100mm(APS-Cなのでフルサイズ160mm相当)で捉えたレナード彗星。左の明るい星がコルカロリ
100mmで撮影したレナード彗星 2021年11月29日
Canon EOS KissX9i(HKRI) SIGMA 50-100mm F1.8DC(100mm F2.8 30secx8 ISO 1600)
スカイメモSノータッチガイド YIMGでスタック+PaintShopProとIrfanViewで調整

とにかく、50-100mmF1.8(絞りF2.8)でも狙ってみます。上がってきたばっかり、コルカロリの右下の辺りを撮影してみると、月明かりでコントラストは悪いのですが、小さいながらも尾がしっかりと見えます。おお!、これはすごいぞぉ。

トリミングしてみるとこんな感じ。ノイズを考えるとちょっと焦点距離が足りない感じだけど、風が強い時はもうこれでいいんじゃないかと…(^^;
100mmで撮影したレナード彗星のトリミング 2021年11月29日
※ 最初のギガントでの撮影の彗星は北を上にしてありますが、100mm星野の写真は、天頂方向が上になっているので、左が北になってます。

3時ぐらいになってくると、擁壁の向こう側からギガントの視野にも入ってきました。月明かりがあるのであまり感度を上げても尾の描写は変わらないように見えました。なので、ISO1600の30秒露出で枚数を稼ぎます。現像、処理したのが最初の写真になります。右下の明るい星は7.3等星のようで、中心部はそれよりも明るい感じでしょうか。それよりもしっかりとした尾が出ているのが可能性を感じさせます。

少し高度が上がって、これなら1分露出も行けるんじゃね?と思って露出を開始させて、片付けを始めます。どれどれ?と思って見たら彗星は線(日周運動)になってました(涙。赤道儀の電池切れです。いやまぁ、小海に行った時にそこそこ使ったので、さすがに二晩は持たなかったというわけです。ここであきらめて撤収としました。

久々の撮影遠征、今回はふたご群?と思わしき流星もいくつもみました。この週末には月も無くなるので、もっと大きくなったレオナさん、いや、レナード彗星を撮影したくなります。晴れろー!

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