限界も 下弦ならばと 感じつつ (BORG 125F2.8ED)


お借りしている極太BORG、125F2.8EDですが、どうもフィルム時代の設計らしく、赤ハロが結構出ます。強調していくとどうしても星像が甘くなるため、自分の撮影スタイルでは、使える範囲はどうしても限られてきそうです。まぁ、絞りを入れるか、電子観望用にするのが正解なのだとは思います。

前回はCBPフィルターを使っての撮影を試していましたが、手段としてはまだロードスター、IDASのNB-1を使った赤い星雲の表現について試していません。通常のアクロマートと違って性能改善は期待できないかもしれませんが、赤い星雲の表現はそこそこできるんじゃないかと思いました。ただ、前回フィルターを付けるのに48mmのマウントアダプターが斜めスリーブのもので、ガタがひどかったので、単純な48mmの2インチ延長スリーブを探しました。意外と無いんですよね。結局SVBonyのコイツを使ってます。これに48mmのTリングを付けると、48mmフィルターの使える短いカメラアダプターになるので、しっかり使えました。

そしてもう一つ、光害カット能力に優れるNB-1を使うのなら、長時間の露出とガイド撮影をしたくなります。そのままではガイド鏡が付けられなかったのでちょっと一工夫が必要でした。

取り付けられている鏡筒バンドは、BORGの製品ではなくてビクセンの屈折用を転用しているとのこと。上部にネジがあるのでここにガイド鏡用のアルカスイスプレートが付けられるのでは…?と思ったのですが、これが1/4インチではなくてM6のネジでした…。M6ネジはとにかく、アルカスイスプレートを付けようとすると、プレートに穴をあけ直さないとM6ネジは通りません。仕方ないので手ごろなアルカスイスプレートにドリルでφ6mmの穴をグリグリ…。なんとか加工できたので、それをM6ネジで鏡筒バンドに取り付けます。ここまで来れば、アルカスイスクランプを付けたガイド鏡を装着して、ガイド撮影が可能になります。

下弦でオリオンを狙うBORG125F2.8ED オートガイド

ガイドはラズパイ4で行きます。ASI AIRを使うという手もあるのですが、遠征先でガイド撮影を2セット広げることも考えて、このラズパイ4もきちんと使えるようにしておきたいというのがあって、きちんと使えるように練習を兼ねています。どちらにしてもタブレットは必要(スマホを使うという手もあるけど、画面が小さくて使いにくいので…)なのですが、ノートPCだと屋外に置きっぱなしにしなければならないというリスクがあるので、無線LANで済ませるこのセットは便利&リスク少な目だとは思います。無線LANそのものが色々リスキーという話はありますが(^^;

ということで、撮影です。狙いは赤いヤツの代表、馬頭星雲とかもめ星雲にしました。露出をかける…と言ってもF2.8です。普通にISO1600とかをかけるだけで、あっという間に露出オーバーになります。結局ISO400で2分という、普通の露出を24枚かけました。

強調しまくりの馬頭星雲 BORG125F2.8ED 2022年2月
Canon KissX9i(HKIR) BORG125F2.8ED (350mm F2.8 120sec x24 IDAS NB-1フィルター)
タカハシ EM200赤道儀 75mmF2.8ASI120MMminiラズパイ4PHD2でオートガイド ステライメージ9+PaintShopProとIrfanViewで調整

ミラーのケラレはまぁ、仕方ないのですが、全体的に眠い画像になっています。原因ははやり赤ハロで、ピントを星の形が一番小さくなるところに合わせているのですが、結局赤ハロが出てしまっているので強調していくと星が肥大化してしまっています。この辺、処理前の画像をHDR加工すればもう少しシャープにできるかもしれませんが、面倒なのでここまでです。それでも、赤い星雲はそこそこ表現できている気がします。さすがはF2.8、さすがはロードスター(NB-1)です。

もうひとつのかもめ星雲は、やはり馬頭よりは厳しい感じです。少し低いのと、この時は確か月が上がってきていたのだと思います。コントラストがいまひとつ出ません。む、むうぅ。今回はこれぐらいにしといてやろう(^^;

BROG125F2.8ED NB-1でかもめ星雲 2022年2月
撮影データは上と同じ

本当なら比較でSE120とか持ってきたいところですね。最近は自宅からのガイド撮影がそこそこ安定してきているので、また今度試してみたいとは思います。冬の赤いのが沈んでしまう前にチャレンジしなくては…。

赤いのが見えなくなれば、次は銀河の季節です。リチャード君の出番かな。




機材ネタがらみですが、CP+で色々新機材というか、参考出品も含めてVixenさんやサイトロンさんが色々出してきましたね。かなり楽しみなものもあれば、「え?そっち?」というのもあったりして、なかなか重し揃うです。個人的にはVixenさんのガイドスコープファインダーでしょうか。「そうそう、こういうのを出してほしいんだよ!」と思わずうなずいてしまいました。後は、スターブックTENの代わりのワイヤレスアダプターが気になりましたが、色んなものがWiFiで繋がる今、更にWiFi物を出されても…というのが正直なところです(いや、まぁ、これはこれでいいとは思うのですが…)。これが、Bluetoothだったら、あっぱれ!だったんですけどね。実際、やりとりする情報量としてはそんなにないはずだと思います。WiFiの方が開発しやすいのかなぁ…。



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コメント

UTO
赤ハロってことはライブビューでピントを見ていくと、青色ニジミに変化するところがありませんかね?
タムロン300SPと同じ傾向っぽいなぁ・・と。
譲り渡した方は、多分、バーティノフマスクでピント出していて、やはり赤ハロ画像量産してましたが、僕が撮ってるのは全部青ハロなんですよね・・まあ、星の緑が強くなっているので、結局処理は難しいのですが・・

あとは、L41あたりも入れて短波長側は多少はカットしてみたいですね。SC42あたり入れると良くなるかもしれません・・・それこそ、タムSP300を使っていた頃には、僕もいろいろやってたので・・( ̄▽ ̄;)
さすがにSC46入れたら星像はかなり改善しましたが・・・彗星はともかく青い星雲は厳しくなるでしょうね・・。


UTO
タムSP300LDの作例です。
http://photozou.jp/photo/show/2183755/240059414

http://photozou.jp/photo/show/2183755/132324901
これは磐田市郊外の獅子ヶ鼻公園で。この当時はまだ暗かった(新東名開通前)
http://photozou.jp/photo/photo_only/2183755/130969217
こちらも同じく。獅子ヶ鼻にて。透明度が良くて、ガチ鳥に走ってみましたw 2005年頃だったかな

http://photozou.jp/photo/photo_only/2183755/196306042
これも獅子ヶ鼻。カメラは初Kissみたいなので、やっぱり、2005年頃かな・・IR改造済です。

まあ、自分の写真みても、いろいろと苦しい面もありますが、ぜひライブビューでのピント合わせ、試してみてください。
青ハロがちょこっと出るか否かのところにするのがBestです。
逆に回折像での判断だと最適ピント位置を誤る(いや、一番シャープなんだろうけど)と思います、、、。見た目重視がイチバンかと。。

以上、ご参考まで、、、。

Re: タイトルなし

UTOさんどうも~。
赤ハロなんですが、ピントをずらしていくと、星像が次第にぼやけてくるのと同時に、赤ハロは姿を消して、青い星になります。この時点で、星像が大きくなり、輪郭ははっきりしていて青にじみは出てこないようです。

星像が大きくなるのを無視すれば、全体的な色はそちらの方がいいかもしれません。ただ、この時期だとトラペジウムでピントを合わせていると、赤ハロが出るところではトラペジウムがはっきり見えるんですが、赤ハロが出ないところまでボカすと、トラペジウムが一つの星になるぐらい肥大化するんですね…。最終的には強調処理するとどっちも同じような星の大きさになるのなら、赤ハロが無い方がいいとは思うのですが、つい…(^^;

赤ハロ無い撮影も、どこかで一回ぐらい試してみるかな…。
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