玄の館 ブログの部屋
春少し 自宅の庭から 長い夜 (M1,NGC2903)
2022
/
03
/
02
天体写真
こんばんは。玄です。少しずつ暖かくなってきたかと思ったら、また寒くなりそうですね。
先日、自宅の星見台から
ドナルド君(SE120)とロードスター(NB-1)を使って冬の赤いのを狙ってみました
が、時期的にはそろそろ銀河巡りの春がやってきています。オートガイドのテストも兼ねて、リチャード君(GS-200RC)を引っ張り出して長焦点でのテストというか、撮影をしてみました。
銀河巡りの季節と言いながら、とりあえずはM1です。これはまぁ、ドナルド君とかで狙う対象じゃないよな、でも、新たにメシエを順に撮っていくなら、とっぱちのM1をまずは撮っておきたいよな、という心理が働いています。その辺の散開星団とかは後でいいのか、という話はありますが(^^;
この冬はTNKからの卒業を進めてきましたが、今回はリチャード君でのガイド撮影です。ガイドは200mmF4のガイド鏡に、SSAGを付けたもので、まぁ、前回のドナルド君と同じものです。ただ、リチャード君は軽量化と収納性を上げるため、鏡筒上側のレールを取り外しています。なので、取り付けは下側のレールにビクセンのアリガタマウントをかまして、それにアルカスイスのプレートをかましています。ちょっと変則的なのと、プレートの取り付けが1/4ネジ1本なので、少しだけ心配です。本格的にガイド撮影をするなら、もう少ししっかりしたプレートの取り付けを検討するか、オフアキとかを考えなければいけないかもしれません。まぁ、一眼レフでオフアキは厳しいかもですが…。
Canon KissX9i(HKIR) KASAI GS200RC+x0.8レデューサー(1300mmF6.4 240secx24 ISO 800)SVBony CLSフィルター
タカハシ EM-200B 200mmF4ガイド鏡+SSAG+ラズパイ4+PHD2でオートガイド ステライメージ9+PaintShopPro+IrfanViewで画像処理
露出は恐らくこれまでで最長の4分×24枚、合計96分、1時間半を目指して、ほぼ全部採用しています。4分の露出をするためにはガイドが必須なのと、さすがにノーフィルターでは苦しそうなので、
SVBonyのCLSフィルター
を入れてみました。
以前にM27を撮影した時にも使ったことのある
ものです。NB-1ほどではありませんが、光害カットとしてはなかなかの…はずです(^^;
結果はご覧の通り、と言っても皆様のしっかり撮影に比べれば、まだまだぼんやりした結果かもしれません。それでも、自分がこれまで撮影してきたM1ではベストの仕上がりになりました。赤外カメラだったり、長時間撮影だったりすることもありますが、恐らく一番効いているのはフィルターだと思います。M1の繊維状のシュワシュワした感じが出てきました。なかなか面白いですな。後はガイド精度なのか、筒の限界なのか、星像が少しぼんやりしているのをなんとかしないといけない気はします。
ちなみに、このM1、「かに星雲」ですが、どう見ても「かに」には見えません。なんで「蟹」なんでしょうか…。こいつももしかしたらよくある誤訳…?と思って、色々調べてみたら、どうやらその昔、ウィリアム・パーソンズさんがスケッチしたM1が、いっぱい足が出ていて「蟹に見える」ということでかに星雲になったとか…。どんなスケッチだよ、と思ってたら、
海外のウィキペディアには載ってました
。カニ、というよりはエビというか蟹の幼生というか…。なんか、罪作りなネーミングですな…。
さて、ガイドの精度はとにかく、長時間撮影ができそうなことは分かってきました。それならば銀河も試しておかねばならんでしょう。家の星見台からは、東の空は見えないのである程度限られるんですが、夜半にはしし座が高く上がってきます。この辺で撮影しやすいのはNGC2903、通称肉丸さんでしょう。ファインダーでの導入は厳しいので、先のM1もそうでしたが、どっちみち赤緯・赤経を合わせての導入です。一発でうまく行かないときは、ファインダーと周辺の星の並びを使ってちょっと調整してやって入れました。こちらも同じく96分の露出です。どうだ!?
Canon KissX9i(HKIR) KASAI GS200RC+x0.8レデューサー(1300mmF6.4 240secx23 ISO 800)SVBony CLSフィルター
タカハシ EM-200B 200mmF4ガイド鏡+SSAG+ラズパイ4+PHD2でオートガイド ステライメージ9+PaintShopPro+IrfanViewで画像処理
肉丸さんは昨年も何度も撮影していますが、焦点距離が同じようなのは
2020年にギガントで撮影したこれ
でしょうか。淡い所は遠征+30cmの過去の画像の方がいいのですが、細かい模様は今回結構しっかり撮れているような気がします。
ただ、先のM1でもそうでしたが、強調していくとフラットが合わないんですね。SI9の周辺減光調整でかなりのところはスムーズになるんですが、中央やや下のところに明るいのがあるのは残ってしまうんですよね。はて…?
まぁ、それはとにかく、この日はまだ時間を取れたので、もうひとつ試していました。冬のものが沈んでしまう前に何か少しマイナーなのを…長焦点だから球状星団かな?ということで狙いを付けたのがウサギ座の足元のM79です。ちょっとマイナーですが、メシエの球状星団なので狙ってみました。
…あ?あれ?ガイドがメタメタ…
いやまぁ、ガイドの状態は決してスムーズではなかったんですが、こんなにずれるようなものではないはずです。何が原因なのかは分かっていませんが、ミラーシフトが変に起こったのか、ガイドケーブルがひっかかったのか…。とにかくリベンジ決定となりました(涙
ガイドの問題もありますし、フラットがなんで合わないのか、まだまだ検討の余地ありなんですが、とりあえず、ガイド撮影そのものはできるのと、フィルターワークで自宅からでも色々面白い撮影ができることが分かってきました。とにかく晴れて時間があれば撮影出来そうなので、欲張らず、少しずつ撮影結果を増やしていこうかと思います。今度はギガントでも試してみたいな…<=欲張り
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