リチャードで 春の夜空の 練習を (M95、M3)


先週金曜日の夜は、超新星の撮影もしたのですが、せっかく晴れていたので、月が昇るまでに合計3対象を撮影していました。

リチャードによるM3 思ったより良く写った?
Canon KissX9(HKIR) KASAI GS200RC+x0.8レデューサー(1300mmF6.4 120secx24 ISO 1600)
タカハシ EM200赤道儀 200mmF4+ラズパイ+PHD2でオートガイド ステライメージ9+PaintShopProで処理

一番見栄えが良かったのが、このM3でしょうか。春の大型の球状星団なので、それなりの露出をかけてあぶりだせば、その大きさも強調されてなかなかの迫力に…多分なっていると思います。

今回の撮影では、光害防止フィルターを使いませんでした。その分、露出は1かっと2分んと短めにしてあるのですが、結果はあまり変わらないような気もしますし、ちょっと淡い部分のコントラストが弱いかな…という気もします。
フラットも使ってみました。ただ、その効果はどれほどあるのか?というのが正直なところです。フィルターの有無やフラットの有無について、もうちょっと同じ被写体でしっかり確認するのがいいとは思うのですが、貴重な晴れ間。同じ被写体をちまちま撮るのもなんだかなぁ、という状況です(^^;

フィルター無しのせいか、フラットを使ったおかげか、スタック直後の画像の周辺減光は、比較的素直な感じで、ステライメージ9の周辺減光処理をかけてやるとかなり綺麗になります。ただ、中央付近に残る明るい所はどうしても残るようで、せっかくフラットを撮ったのになぁ、とも思います。

オートガイドもちまちま調整してみました。前回撮影の時は面倒だったので赤道儀を高速モードで動かしてたんですが、さすがにハンチングがひどいので、今回は通常モードで動かせてます。いや、ダイヤル調整をちょっといじると動かないことがある(故障中)ので、実はヒヤヒヤものなんですがね(^^;
これで、露出を2.5秒ぐらいまで延ばせば、赤緯側はほぼ安定しました、しかし、赤経側はまだハンチングが起きます。PHD2の調整はどのパラメーターがどう効くのか、明確に説明されているものが少ないので、ネットの情報をさまよいながら、とりあえず「Aggressivness(RA agr)」を70%ぐらいまで下げてやると、かなり落ち着いた動きになることが分かりました。このAggressivenessは、「攻撃性」と訳されますが、敏感度的に訳されている場合が多そうです。でも、マニュアルを見る限り、どちらかというと「パルスの有効値」的な感じです。つまり、修正パルスに対して、実際の赤道儀の動きを抑える、という感じでしょうか。本来なら、赤道儀本体の修正速度や、修正パルス時間等を調整するのがいいとは思うのですが、グラフを見ながら調整するのならここでやるのがいいのでしょう。
とりあえずは70%で手を打ちました(実は赤緯は既に70%にしてあって、そこそこいい感じになっていた)が、レスポンスや、ずれた後に戻ってくるまでの時間を配慮して、もう少し低めに設定してもいいのかもしれません。
Hysterisysは、今回いじりませんでした。一度に複数を触ると複雑になってしまうのと、過去履歴の反映はそれほど深く求めなくていいかな、と考えた結果です。

で、赤経方向はガイドがボロボロでした。その辺の悪さは前回紹介した超新星の伸び具合を見てもらえれば分かるのですが、球状星団のM3だと、その辺も強調されてひどいことに…

あれ?思ったほど目立ちませんね。この辺、スタックして強調処理している間に、星が少しずつ太くなるので、ブログサイズならそーんなに目立たないレベルにはなるようです。まぁ、よく見ると全部の星が横長になっているのが分かるかと思います(^^;


さて、最初に狙ったのは、しし座の銀河、M95でした。いや本当は最初にM3を狙いたかったのですが、時間的にまだ見える位置に来ていなかったので、M3を狙ったのは最後だったりしました。

リチャードによるM95 2022年4月
Canon KissX9(HKIR) KASAI GS200RC+x0.8レデューサー(1300mmF6.4 120secx24 ISO 1600)
タカハシ EM200赤道儀 200mmF4+ラズパイ+PHD2でオートガイド ステライメージ9+PaintShopProで処理


導入は目盛環で行うのですが、テスト撮影した結果にかろうじて星じゃないのが写っていて「おお!?これか?、一発で視野に入った~」と喜びました(実はM3は3回ぐらい探している)。しかし、テスト撮影では「星じゃない」のが分かるだけで、銀河の形は全然見えてきません。
M95ワンショットのみ


撮影が終わって画像を取り込んだ後も「…これホンマにM95か?」と半信半疑でした。が、スタックして思いっきり強調処理していくと、確かにM95らしい、Θ(シータ)の形が見えてきました。おお、ちゃんと写っている。

この辺、光害カットフィルターとかを使えばもうちょっとはっきりしやすいのかもしれません。どこかで試してみたいとは思います。

M95を狙うリチャード君 2022年4月
OM SYSTEM OM-1 M.ZD 12-100mmF4.0 IS Pro(12mm F4.0 2sec ISO 3200)

撮影中のカットはこんな感じ。フードはプラダンで作っているのでスッカスカなんですが、この辺がフラットが合わない理由の一つになっている…のでしょうか?。これも宅撮りをしっかりやるのなら、もうちょっといいものを作ってみるべきですな。

実は、このリチャードでの撮影には、まだもう一つ問題が残っています。ガイドずれです。ガイド鏡周りの問題の可能性もありますが、一つ確認しておきたいのが、主鏡のガタです。通常のニュートン望遠鏡と違ってカセグレン系のこの筒は主鏡の状態を簡単には確認できません。ただ、筒の向きによってガイド状況が結構変わる気がするので、主鏡の固定は一度確認しておきたいとは思います。このGWにバラしてみるかな…。

ということで、今回の撮影で、問題点がある程度はっきりしてきました。改善するかどうかはやって見なければ分かりませんが、課題です。
1)ガイドパラメータの確認と改善
2)リチャード君用に、自宅用のしっかりしたフードの作成
3)リチャード君のミラーの固定確認

GWの天気が悪ければ、色々チェックしてみようかと思います。

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