玄の館 ブログの部屋
薄明に 最後に逢えた ひとつ星 (西村彗星 C/2023 P1)
2023
/
09
/
10
天体写真
西村彗星が明け方の空に見えるという話は聞いてはいたんですが、自宅からは空の低い位置はまず無理なので半分あきらめていました。先週の早いうちだともしかしたら…という位置でしたが、天候に阻まれチャンスはありませんでした。
Canon EOS80D SIGMA 50-100mm F1.8DC(50mm F2.8 約3秒×4 ISO 1600)
ケンコー スカイメモS ステライメージ9+PaintShopPro+IrfanViewで処理
ただ、今後もこうした東西の低い位置にイベントが起きる可能性を配慮して、以前から目を付けていた、なんとか歩いて行ける範囲の視界の良いポイントを、先週末に下見だけしておきました。思っていたよりもなんとかなりそうで、早朝、ポタ赤を持って来て観測するぐらいなら問題なさそうでした。ちょっと距離があるので体力的には問題になるかも…ですが(^^;
ということで、西村彗星 C/2023 P1はほぼあきらめていたのですが、今朝だと東の空ギリギリで、かつ晴れそう、そして結構明るいみたいな話が上がってきているので、何はともあれチャレンジしてみることにしました。
前の夜は自宅の星見台で撮影していたので、睡眠時間はほとんどありません。それでも3時に目覚ましをかけてなんとか起き出しました。持って行くものは前日にスタンバイしていたので準備にはさほど時間はかかりません。
今回はポタ赤、スカイメモSにEOS60D、そしてレンズはSIGMAの50-100mmF1.8を用意しました。彗星の位置が分からない可能性が高いので、50mmで位置を確認して、100mmへズームアップする、という段取りです。まぁ、うまく行かなかったんですが(^^;
現地に着いてポタ赤の極軸を合わせて、試しに高く上がってきているオリオンを撮影してみます。特に問題なく撮影できたので、よし、これで彗星の位置を確認して…
あれ?月と金星がこの位置だと、彗星は丁度そこの茂みの所になるんじゃ…げ!
あまり良く考えずにセッティングしたため、東の空の唯一の障害物の茂みが邪魔になりそうです。慌てて場所を変更して、多分問題にならない位置へと移動します。極軸を合わせ直して…としていたらもう4時15分ほど。薄明はかなり始まってしまっています。すぐにでも撮影にかからないといけませんが、肝心の彗星の位置が全然分かりません。双眼鏡で探しても、レグルスの位置さえあいまいです(結局レグルスは最後まで分からなかったような…)
実際にテスト撮影してみると、ISO1600、F2.8で4秒でも露出オーバー気味です。後から考えれば、これならもう固定撮影でいいじゃん、となるわけですが、この辺はもう撮影して見ないと分からないというのが正直なところで、経験がモノを言います。
最終的に、撮影結果を拡大して「これかな?」と思う辺りを何枚かずつ撮影しました。今回の写真は3秒露出を4枚ほど重ねたものです。彗星そのものが本物かどうか不明でしたので、100mmへのズームアップする余裕は無く、全て50mmF2.8での撮影でした。
後から強調処理してなんとか分かりました。最初の写真の矢印の所が彗星です。よく見るとしし座のおおがまが画面右側に見えてますね。その彗星付近を拡大したのが2枚目になりますが、残念ながら強調しても尾は見えてきません。左下の少しホワッとしたような星が西村彗星です。かろうじて緑色なのが彗星っぽいっちゃあそうなのかな…。もう少し早くから露出できていれば露出時間も伸ばせて尾も確認できたかもしれませんが、今回はちょっと厳しかったかなぁ。
反省点はいくつもありますが、やはり今回場所の下見はしたとは言え、星の並びや位置関係、見える場所などはほぼぶっつけ本番。せめて前日にあと一回撮影できていれば、大きく変わったかもしれません。やはりこういうのは経験がモノを言いますね。
Canon PowerShotG5XmkII CanonZoom 8.8-44mmF1.8-2.8(8.8mm F1.8 1/20sec ISO 3200)
天気は悪くなかったんですよ。多少薄雲は出ていたようですが、ご覧の様に綺麗な朝焼けでした。まぁ、こんなのが撮れただけでも今回はOKとしましょう。ついでに尾はわからないといえども、西村彗星そのものは撮影できたわけですから、いい経験になりました。多分この場所はそれなりに使えそうです。
というわけで西村彗星には出会えたのですが、昨夜、叔父さんが亡くなったそうです。少し前に急病になり、治療をしていたのですが、急逝でした。私が小さい頃は叔父さんに子供が無く、良く遊んでもらったり色んなプレゼントをしてもらったり、大人になってからも色々お世話になった方でした。その、ありがとうを言うことができないままというのが悔やまれます。また、星になって見守ってくれるのかな…。
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